メモの意外性
マジメな顔がぎこちなくて
それならきっとバレるって
無意識にかなうものはないと
教えてくれた
半分に折り畳んでいた
見るからにボロい走り書き
眠い目の中に眠る夢だけ
拾い続けた
声に出したいことは
今じゃないけど
ちゃんと両足そろえて
待たせてある
リズミカルな靴音から
朝の静けさを知った
まるでどこにも人っ子ひとりいないと
騙せるほど
ポケットの裏に貼り付いた
ゴミ同然の意外性が
片意地はらず街を歩いてゆく
よろ、しくね!
声に出したいことは
良くも悪くも
好きな人と歩きながら
見失うもの
マジメな顔がぎこちなくて
それならきっとバレるって
無意識にかなうものはないと
教えてくれた
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