ウクライナが毎日ロシアに何百機と飛ばし ロシア国内の民間のアパートへのテロ攻撃や製油所や石油貯蔵施設、石油積出港を中心に攻撃しているドローンは ほとんどがドイツ、イギリス、フランス、ポーランド、バルト三国、チェコなどの欧州諸国から提供されたもので、ウクライナ国内産ではないのですが(ウクライナ国内ではやっていてもせいぜい最終組み立て程度)、中には 明らかにウクライナにバルト三国の領空内を通過を許可してまでロシア領内を攻撃しているものもあり、そのような「欧州反ロシア連合による戦争への加担行為」に対し、我慢強いプーチン大統領も ついに堪忍袋の緒が切れたようです。

 

 

先日ロシアはウクライナにドローンを提供している企業のリストを公開し、それらの企業は ロシアにとって「正当な攻撃目標」だと発表しました。

 

ウクライナ向けドローン製造企業 リスト公開

 ↓(日本語に変換したもの)

 

ドローンパイロットと飛行中のドローン

 

(以下、上のニュースの和訳開始)

 

ロシアによるウクライナへの本格的な侵攻開始以来、欧州諸国はキエフに対し、兵器システムや弾薬を供給するなど、多額の財政的・軍事的支援を提供してきた。
ロシア国防省は、ウクライナ向けにドローンを製造しているとされる欧州のメーカーのリストを公表し、こうした合弁事業は「エスカレーションへの一歩」であると述べた。

同省はまた、こうした協力関係は「欧州諸国をますます戦争に巻き込む」危険性があると述べ、あるロシア当局者は、これらの製造業者は潜在的な軍事標的になり得ると指摘した。


ロシア国防省によると、3月下旬、複数のEU諸国の首脳が、ロシア領土への攻撃に使用するためのウクライナへのドローンの生産と供給を増やすこと、および攻撃用ドローンとその部品を製造する欧州諸国の企業への資金提供を拡大することを決定した。

ロシア国防省は声明で、「我々は今回の決定を、欧州大陸全体の軍事的・政治的状況を急激にエスカレートさせ、これらの国々をウクライナの戦略的後方へと徐々に変貌させる意図的な措置とみなしている」と述べ、欧州で製造されたドローンを用いたロシアへの攻撃は「予測不可能な結果」を招く可能性があると強調した。

 

欧州のウクライナ企業拠点リスト

 

「欧州の国民は、自国の安全保障に対する脅威の真の原因を明確に理解するだけでなく、自国領土内における、ウクライナ向け無人航空機および部品を製造する『ウクライナ』企業および『合弁』企業の住所と所在地も知るべきだ」と、同省は述べた。

公表されたリストには、ドローンとその部品を製造しているとされるウクライナ企業の11の支社が含まれており、その中には英国、デンマーク、ドイツ、ラトビアの拠点も含まれている。

ウクライナ向けに無人航空機(UAV)とその部品を製造しているとされる外国企業の中には、ドイツ、スペイン、イタリアにある10社の所在地が記載されている。


軍事目標
ロシア安全保障会議副議長で元大統領のドミトリー・メドベージェフ氏は、この情報は「ロシア軍の潜在的な標的リストとして捉えるべきだ」と述べた。

「ロシア国防省の声明は極めて文字通りに理解されるべきだ。ヨーロッパにおけるドローンやその他の軍事装備の生産拠点の公表は、ロシア軍にとって潜在的な正当な標的の登録簿である」とメドベージェフ氏はXへの投稿で書いた。

 

 

メドベージェフ氏、欧州のドローン製造施設を標的と示唆

 

ロシアによるウクライナへの本格的な侵攻開始以来、欧州諸国はキエフに対し、兵器システムや弾薬を供給するなど、多額の財政的・軍事的支援を提供してきた。

今週、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ドイツおよびノルウェーとドローンの共同生産に関する協定に署名した。イタリアのジョルジア・メローニ首相も、こうした協力に関心を示している。

「ウクライナを支援することは、道徳的な義務であるだけでなく、戦略的な必要性でもある。ヨーロッパの安全保障がかかっている」と、彼女はローマでゼレンスキー大統領と会談した後、述べた。

 

(和訳終了)

 

 

ロシア政治が専門のギルバート・ドクトロウ博士等が言及されていますが、ロシア国内では ここ数か月、ウクライナのドローン攻撃によって何の罪もない民間人の死傷者が増えていることもあり、「プーチン大統領の対応が生ぬるすぎるのではないか」という声も大きくなっていました。

 

そして、それはイランの米国とイスラエルに対する戦い方を見て、イランが 米軍基地がある湾岸諸国に対してミサイルやドローンを撃っているのを見てイランの戦い方にロシア国民も感銘を受け、ロシアも(周辺諸国を攻撃している)イランの戦い方を見習うべきだ という声まで上がっていました。

 

そのような中、ロシア国内では かなり穏健派の政治家であるプーチン大統領は どんなにロシア国内の民間インフラが攻撃されようが、民間人に死者が増えようが、ずっと抑制的な対応しかしてこなかったわけですが、先日 初めてドイツに対して「経済制裁」的なことを行っていますので、今回はそれをご紹介します。

 

それは 首都ベルリンの石油供給の90%を担っているカザフスタンからの石油パイプラインをロシアが5/1から止める と発表したことです。

 

そのパイプラインは ドルジバ・パイプラインと呼ばれているもので、ドルジバには南と北の二本のルートがあり、南のほうは ロシアからウクライナを経由してEUの中の内陸国であるハンガリーやスロバキアにつながっているものですが、北のほうのルートは カザフスタン(生産)→ロシア(通過)→ベラルーシ(通過)→ポーランド(通過)→ドイツ(供給) という流れになっているものです。

 

そして、その石油はドイツ東部ブランデンブルク州、ポーランド国境のオーデル川沿いに位置する石油化学工業都市シュウェットにあ‌るPCK製油所というところに流れ込んでいるものです。このPCK製油所が首都ベルリンで必要な石油のほとんどを生産しているのですが、この製油所も 実はロシアの国営企業のロスネフチが株式を過半数を持っている という、実質的にはロシア支配の製油所だったのですが、ウクライナ戦争後、西側が課した経済制裁から外れるようにするためにドイツ政府がロシアの許可なく強制的に接収していたものだったのです。

 

ドイツ・シュウェットのPCK製油所

 

つまり、EUや米国が課したロシアへの経済制裁を逃れる為に 超法規的にドイツ政府が無理やり無償でロシアから盗んだ製油所へ流れ込んでいるカザフスタン産の石油を ロシアが止める と発表したのです。

 

これについて、ニュース記事をご紹介します。

 

ロシア、ドルジバ経由でのカザフ産原油のドイツ向け供給停止へ 「技術的理由」

 

[フランクフルト/モスクワ 22日 ロイター] - ロシアのノバク副首相は22日、「ドルジバ・パイプライン」経由でのカザフスタン産原油のドイツ向け供給を5月1日から停止すると発表した。シュウェットにあるPCK製油所は不足分を他から調達する必要に迫られる。

同製油所は首都ベルリンの燃料需要の大半を賄っており、供給量の17%をカザフ産原油に依存している。中東紛争によりペルシャ湾からの原油流通が滞る中、燃料不安に拍車がかかりそうだ。

ノバク氏は、停止は「技術的」な理由だと説明。詳細には触れなかった。


同パイプライン経由でのカザフからドイツへの原油輸出は昨年は214万6000トン(日量約4万3000バレル)で、前年比44%増加した。

ドイツ向け供給はパイプラインの北線を通じて行われてきた。ハンガリーとスロバキアに供給する南線とは別で、南線は1月にロシアの攻撃で損傷したが、その後修理を終え稼働を再開した。

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上の記事にある南線のハンガリーとスロバキアに供給するパイプラインは稼働を再開 というのはつい最近のことです。

ウクライナが「ロシアによるドローン攻撃でパイプラインが損傷した」と主張して2026年2月下旬にわざと止め、その後も修理に時間がかかる等と主張して稼働をずるすると引き延ばしていたわけですが、ハンガリーでの総選挙後に動きがありました。

ウクライナ支援の900億ユーロにそれまで拒否権を投じてきたオルバン首相が総選挙で破れ、新しい首相が誕生するのに伴い、新首相マジャール氏は ハンガリーはウクライナ財政支援をしない代わりに、EUのその900億ユーロへの拒否権も発動しない姿勢を示したので、その900億ユーロの財政支援と引き換えに、ゼレンスキーがドルジバ・パイプライン南線を再開通させた ということになりました。

 

 

このカザフスタンからのパイプライン通過をロシアが止める というのは ウクライナへの最大の兵器支援国となっているドイツに対し、ロシアが初めてエネルギーを武器化した例ではないでしょうか。

 

今まで西側のメディアやEU委員長は「ロシアがエネルギーを武器化している」と非難してきましたが、それは全くおかしな話で、エネルギーを武器化したり制裁、挙句の果てにテロ攻撃まで行ったのは どう見てもEUの側でした。

 

ロシアは契約に基づいて敵に殺傷兵器を送り続ける敵対国に対してもエネルギー供給を続けてきたのを EUが勝手に経済的自殺行為の制裁をやってロシアの銀行を国際的決済システムのSWIFTから除外したので、ドル決済やEURO決済が使えなくなった ということで、ロシア側が「ロシアルーブル」による決済を求めたら、それに反発してEUが自ら勝手に、ロシアの石油やガスを購入するのをやめただけです。

 

しかもそのロシア側が求めていたロシアルーブル決済というのは EU側がロシアルーブルを購入して事前に通貨を変換しないといけない というものではなく、顧客のドル口座、ユーロ口座からその日の為替市場の相場に基づいてロシアが該当する金額のルーブルに相当するドルやユーロを請求する というものですので、顧客であるEUの側に何の負担もないものだったので、ハンガリーなどは「ルーブル決済でも何の問題もない」と言い続けていました。

 

ですが、そのようにしてEUが勝手に制裁しておきながら、「エネルギーを武器化した」とロシアを非難、そして2022年9月には ノルドストリームパイプライン1と2の4本のうちの3本を爆破する というテロ行為までやって、そのパイプライン爆破の犯人は ロシアだという荒唐無稽な嘘を当初は言っていたわけです。(今はドイツ等が「ウクライナ人のグループが犯人」だと主張しているが、「宇政府は関係なく爆破計画をゼレンスキーも知らなかった」と言って真の犯人である可能性が高い米軍をかばっている)

 

このように、自国のインフラを爆破までされても それでも契約を着実に履行して欧州にエネルギーを送り続けてきたのがロシアだったのですが、今回 ウクライナへの欧州の大量のドローン供給によるロシア国内へのテロ攻撃に対して、ついにプーチン大統領の堪忍袋の緒が切れた と言ってよい状況でしょう。

 

しかし、このドイツへのロシアからの事実上の「経済制裁」はまだまだ序の口だと思った方がいいでしょう。

 

ロシア国内には 相手が事実上戦争に直接加担しているのに、プーチンはいつまで「生ぬるい」抑制的な対応をしているんだ?という声が最近は大きくなってきているのです。

 

それが直近のプーチン大統領の支持率の低下にも現れています。2022年以降も 常に70~80%はあったプーチン大統領の支持率が最近は65%位になっている というニュースもありました。

 

かつて、プーチン大統領のアドバイザーを務めていたことのあるセルゲイ・カラガーノフ氏は 欧州の敵対国、特にドイツとイギリスに対してロシアは核兵器を使うことも考えるべきだ と主張していますので、欧州の国々が このウクライナを使ったロシアへの代理戦争でもっとロシア国内を攻撃するようになれば、ロシアは核ミサイルや新型ミサイルのオレシュニクをドイツやイギリス、バルト三国等の軍事拠点に対して容赦なく同時多発的に撃ち込む ということも十分に可能性があります。

 

欧州の一般国民はロシアとの戦争自体に反対だし、ウクライナへの軍隊の派遣にも大多数が反対と、そこまでクレイジーな人は少ないと思うのですが、いかんせん、グローバリストのエリート政治家連中は フリードリヒ・メルツ(独首相)、エマニュエル・マクロン(仏大統領)、キア・スターマー(英首相)、ウルスラ・フォン・デア・ライエン(EU委員長)、カヤ・カラス(EU外交上級代表)、ドナルド・トゥスク(ポーランド首相)など、異常なほどにロシアとの将来の戦争を煽っているクズ連中が多数いますので、私は そういった連中がこれ以上、ロシアの熊を棒でつついて挑発し核戦争にならないことを願っています。