ウクライナの国内で20%ほどのすでに失った領土を取り返せる可能性が全くなくなってしまったウクライナ軍は ロシアの民間人のアパート等へのドローンによるテロ攻撃や石油精製所等への民間インフラへのドローン攻撃に力を入れるようになっています。しかし、この動きを見ていて、非常に危険だと私が思うのは 欧州のNATO加盟国のいくつかは ウクライナへドローンをまさに供給しているのであって、そのドローンが直接ロシアを攻撃していることです。
ですから、ロシア内では すでに「NATOがロシアを直接攻撃している」というふうに見なされているのであって、宣戦布告はなくても、事実上そうなっているのです。
中でも 特に ロシアが自国への脅威だと見ているのが バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)やフィンランドで、これらの国は ウクライナのドローンに領空を侵犯、通過させてまで、ロシア第2の都市であるサンクトペテルブルクを攻撃させているのです。
(上の地図:ロシア第二の都市サンクトペテルブルクとバルト三国の位置。サンクトペテルブルクを攻撃するドローンはロシアの防空網を避ける為、ラトビアやエストニアの上空から何度も入ってきていた)
これは 単にバルト三国に対してロシアがそう言っているだけではありません。
「反ロシア」でしか自国の存在意義を見出せないバルト三国の政治家のチワワ連中が自ら「ウクライナのドローンが領空に入って来て、中には領土内に落下したり、F-16戦闘機によって撃ち落されたものもある」と認めているのです。
また、さらに、先日 自国の上空を通過したこのウクライナのドローンの一つがラトビア国内の燃料貯蔵施設に墜落したことが大問題となって、ラトビアの女性首相は辞任にまで追い込まれました。それが約1週間前の話です。
↓(日本語に変換したもの)
(以下、上の記事の転載和訳開始)
Latvian prime minister resigns after drone incident
ドローン事件を受け、ラトビア首相が辞任
ラトビアのエヴィカ・シリナ首相は、ウクライナのドローン事件をめぐる国内の緊張の高まりを受け、辞任を発表した
2026年5月14日
ラトビアの中道右派のエヴィカ・シリナ首相は、連立政権を組んでいた左派系の進歩党が政権への支持を撤回し、過半数を失ったことを受け、辞任を発表した。
「私は辞任するが、諦めるつもりはない」と、2023年から首相を務めてきたシリナ氏は木曜日にテレビで発表した声明の中で述べた。
彼女の辞任は、ラトビアの進歩党所属のアンドリス・スプルズ国防相が、ウクライナから飛来したとみられる無人機がラトビア領空に侵入した複数の事件への政府の対応を巡り辞任を余儀なくされた数日後のことだった。シリナ氏は当時、スプルズ氏は自身と国民の信頼を失ったと述べていた。
シリナ氏は日曜日、ドローン事件は「国防部門の政治指導部が我が国の上空の安全という約束を果たせなかったことを明確に示した」と述べ、スプルズ氏の辞任を説明した。
5月7日、ウクライナのドローンとみられる機体2機がラトビアに侵入し、うち1機が燃料貯蔵施設に墜落した。ウクライナ戦争勃発以来、ロシアに向かうウクライナのドローンが3月以降、バルト三国を攻撃しており、他のヨーロッパ諸国も複数攻撃を受けている。これらの事件は、バルト三国の軍事的脅威への対応能力に対する国内からの批判を招いている。
シリナ氏の辞任は、10月に予定されている総選挙のわずか数カ月前に起こった。新首相の任命を任されているラトビアのエドガルス・リンケビッチ大統領は、金曜日に議会各党の代表者と会談する予定だ。
(和訳終了)
上のニュースは中東カタールのアルジャジーラが報じているものですが、このニュースでは 正しく、ラトビアに侵入して石油貯蔵所に墜落したのは「ウクライナのドローンとみられる」と伝えています。
しかし、下のロイター通信の日本語ニュースは酷いです。さすが最もクレイジーな反ロシア姿勢を取るイギリスのメディアらしいです。↓
上のロイター通信のニュースでは ラトビアの石油施設に墜落したのが 「ウクライナのドローン」ではなくて「ロシアのドローン」だと嘘を言っているのです。
そして、ラトビアは この石油貯蔵施設へのドローン墜落で、ドローンを飛ばした当事者であるウクライナを責めるのではなく、なぜかロシアを非難しています。
そして ロシア軍は ほぼ無傷なままで回収したウクライナのドローンを分解してデータを解析したりもしていますが、ウクライナ領土内からまっすぐに最短距離でモスクワやサンクトペテルブルクに飛ぶのではなく、ロシアの防空網を避けるように飛ぶようにデータ入力されていて、そのようなインテリジェンスの情報を提供しているのが ドイツのラムシュタインにあるNATO空軍基地等のNATOの基地である と主張しています。
それはその通りなのでしょう。そしてそのドローンの本体も 今はウクライナ内部にある工場は すぐにロシア軍のミサイルでやられてしまうので、攻撃される可能性がないバルト三国やフィンランド、スウェーデン、ドイツ、ポーランド等から持ってきています。
ですが、このような状態は すでにロシアのレッドラインをはるかに超えているのであって、今の状態が続くと ロシア国内の政治家の中では「穏健派」であるプーチン大統領に対し、「なぜ兵器を直接提供して首都モスクワをドローン攻撃させているNATO加盟国を直接叩かないのだ?」という声も出てきているのです。
今の状態でバルト三国のチワワたちやフィンランド、ドイツ等が調子に乗って「ロシアはどうせNATOを攻撃はしないだろう」と思って危険な挑発を何度も繰り返すことで、どうなるか? プーチン大統領の「堪忍袋の緒が切れる」のも近い と、軍事評論家のスコット・リッター氏やダグラス・マクレガー氏などは見ています。
下にAIで作ったパワーポイント資料で状況をまとめてみます。
(ロシア国内には 強硬派がたくさんいて、プーチン大統領は最も「穏健派」の一人である。)
(NATOはこのウクライナでの戦争で何度もロシアが言っていた「レッドライン」を超えてきた。例えばエイブラムス戦車やF-16戦闘機の提供、長距離砲の提供、西側兵器を使いウクライナ軍がロシア領クルスクに侵攻し民間人を数百人殺害する等、何度もレッドラインを超えたにも関わらず、ロシアはNATOに対して軍事的報復をまだ行っていない点に着目すべきである。ロシアの「自制」を「弱さ」と勘違いして調子に乗るな というのがロシアのメッセージ。)
(ロシアは NATOが直接支援しているウクライナ軍との戦争を「自国の生存への脅威」だと見なしている。ロシアにとっては自国が生存の脅威にさらされたり ロシア国内のエネルギーインフラが壊滅的に攻撃され国益を棄損することは戦略的敗北だと見ており、いくら前線で優位に立っていても、ロシアは国家として戦略的な敗北をすることを許さない。)
(ロシアにとっての脅威がまさにウクライナ政府が2014年以降、40%もいるロシア語話者の存在を無視してロシア語を公用語から外す等したことである。これは米国でイランの言語のペルシャ語が禁止されていないことやイスラエルでアラビア語が禁止されていない、パレスチナでヘブライ語が禁止されていないことなどを考慮すれば、ロシア民族に対する明らかな人権弾圧とアイデンティティの否定であるが、2014年以来、ウクライナはそれを行っている。ちなみに、バルト三国もロシア語しか話せない話者から選挙権をはく奪する等、ソ連崩壊前からそこに住んでいるロシア民族を”二級市民”扱いしている。)
(今の西側指導者には 外交を通じて紛争を解決しようという意志のある人物がいない。ドンバスでのロシア系住民虐殺や内戦を受けての二度の「ミンスク合意」は当時弱かったウクライナ軍を強化するための「時間稼ぎ」へと使ったと、仲介人であったはずの当時の独首相メルケル氏が発言したのも有名。ロシアは完全に裏切られた。)
(NATO東方拡大の際にも何度もロシアが求めてきたのは ロシアを含めた形での「不可分な安全保障」であった。)
(今のようにウクライナにロシア国内のエネルギーインフラをドローン攻撃させている状況が続くと、ロシアは いつかは そのNATO加盟国の中にあるドローンの生産元の工場に対して反撃をせざるを得なくなる。今はその可能性が高まっている状態。)
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以上が今の状況です。
ウクライナ軍は 国内の戦線では クリミア半島も含め、もう失った領土を91年の独立当時の状態にまで取り返す可能性は全くありません。その可能性はゼロです。深刻な兵士不足にも見舞われており、ウクライナを使ったロシアへの代理戦争をまだまだ続けたいイギリスやフランスからは「18歳以上の男性全員」を徴兵対象にするように圧力もかけられています。
戦場では全く勝てる見込みがないので、今のように嫌がらせ的にロシア国内のエネルギーインフラにドローン攻撃や民間人のアパートにドローン攻撃を行ってロシアの石油精製能力や貯蔵能力を落とす、民間人を殺す という試みが いつかNATO加盟国への攻撃につながる可能性が高くなっています。これは大変深刻な状況です。










