ラストエンペラー/ジョン・ローン
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1987年、イタリア・中国・イギリス合作の映画”ラストエンペラー”


中国清朝最後の皇帝・溥儀(ふぎ)の壮絶な人生を描いた歴史大作。


アカデミー賞では作品、監督、脚色、撮影、美術、衣裳デザイン、編集、作曲、録音の9部門を制覇。


音楽は坂本龍一が担当。(軍人役で出演も。)




この物語のはじまりは、


第二次世界大戦終戦後の1950年、ソ連での抑留を解かれ送還された中国人戦犯たちが中国・ハルビン駅にてごったがえす中、

一人の男が自殺を図る。男は一命を取り留めるものの、意識が薄らいでいく中、幼少時代を思い出していた・・・。


この男こそ、清朝最後の皇帝・溥儀である。



彼の人生はまさに壮絶。


激動の時代に生まれ、時代に翻弄された清朝最後の皇帝。


彼は、皇帝として生まれ、一市民としてその生涯を終えた。


映画には出てこないが、彼が最後に食べたいと言ったもの、


それは「チキンラーメン」


皇帝として生まれた男がである。


ラストにかつて皇帝として住んでいた紫禁城に訪れるシーンがある。


彼の半生を知った後に観ると、言葉では言い表せない感情がこみ上げてくる。



私は、公開時まだ5歳だったので、もちろんリアルタイムでは観ていない。


高校生のときだっただろうか。


ビデオを借りて観たことは覚えている。


まず映像美、中国ならではのスケールの大きさに感動した。


画面に映し出される東洋美にすっかり魅せられた私はその後、東洋美術の世界にしばし傾倒した。


近代化を推進するのは時代の流れだから仕方ないにしても、古きよきものまで捨ててしまう風潮はなんとも勿体無い。


それは中国だけではない。日本もそう。


私は大学でインテリアデザインを専攻していたこともあり、各国の建築物を調べていたことがあるが、昔の建築物には趣がある。


建築物だけじゃない。生活の仕方や服装にしてもそう。


現代社会は利便性を重要視した結果、趣を捨ててしまった。


それは時代の流れからそうせざるを得ない部分もあるから致し方ない。


利便性を追求しながらも趣も大事にしたい。


この映画を観るとそう実感する。