外出自粛中なので韓ドラを過ごす日々で更新頻度が高くなっています。
さて、今日は先日観終わった素敵な作品の感想を書きます。
『大丈夫、愛だ』(2014)
キャスト:チョ・インソン、コン・ヒョジン他
脚本:ノ・ヒギョン
この作品を観ようと思ったきっかけは、ちょうど少し前に『バリでの出来事』を観てチョ・インソンにハマってしまい、彼の出演作を探していたところ見つけたことでした。
彼のカッコ良さ目当てだったんですが、作品としても素晴らしいものだったので観て本当に良かったです。
あらすじは、チョ・インソン演じる小説家ジェヨルが、コン・ヒョジン演じる精神科医コ・ヘスと出会い、愛し合っていく中で、互いに過去の傷と向き合い、克服していくストーリー。精神病をテーマにしているので、周りの仲間たちも何かしらの病気や心の傷を抱えていて、人があらゆる壁を乗り越えて生きていくうえで大切にしたい考え方を教えてくれる、心温まる作品になっています。
個人的な話ですが、私、基本的に俳優さんを好きになるのって、演技が上手であることが条件なんですよね。
チョ・インソンさんは、バリ出来を観たときに泣きの演技に心をつかまれてしまって、それから色んなインタビュー動画とかも観て人柄が良さそうなのもわかって、ますます大好きになりました。
この作品でも彼の演技力が堪能できるうえ、『ありがとうございます』でもそのナチュラルな演技がとっても好印象だったコン・ヒョジンや、脇を固めるソン・ドンイル、イ・グァンス、ヤン・イクチュンなどの安定した演技力もあって、自然に入り込める仕上がりになっていました。素晴らしいキャスティングにも拍手を送りたいです。
さて、作品の中身はというと、前半まではジェヨルとヘスが憎み合いあながらも強く惹かれ合っていく様子にキュンキュンしたりくすっとしたりしながら観進められるんですが、後半は重い展開になっていくのが特徴です。ヘスは、幼い頃に母親の不倫を目撃して以来、「愛に対する不安障害」と言っているように、愛する人とキスしたり一夜を共にしたりすることに汚らわしさを感じてしまう心の病を抱えています。一方のジェヨルは、過去に父から暴力を受け、その父と家族との間にあったある事件をきっかけに、トラウマを抱え続けて生きています。ヘスの方は比較的早い段階で症状を克服できるようになるのですが、ジェヨルの傷は想像以上に根深かったんですね。彼の心の傷が本当に癒えるには、ありのままの自分を見つめ、受け入れる必要があったんです。
後半からは、ジェヨルが「統合失調症」にかかっていることがわかり、彼自身が自分と病気にどう向き合っていくのかが物語のメインになっています。彼の病気を知ったとき、周りの人たちがどんな風に彼に接したかも着目すべきポイントです。恋人であるヘスは、最初は頭を抱えて信じたくないといった態度でしたが、最終的には精神科医らしく、彼の強制入院の手助けに応じます。18話辺りからのシーン、本当に観ていて辛いです。
実は私、身内が似たような心の病気にかかり、強制入院に至った経験があります。
ジェヨルとは症状は違ったのですが、心の病気というのは「外見では判断しにくい」「完治することがない」という点で非常にやっかいです。特に、本人が「自分は病気である」という事実を認めにくいのも治療を困難にする原因になります。私は精神科医ではないので病気に関する詳しいことはわからないですが、周りで支える人の存在がどれ程重要かということは実際に経験してよくわかっています。
ヘスがジェヨルの病気を認めた後で、こう振り返る場面がありました。
「ジェヨルからトラウマの話を聞いたとき、本当に彼を理解しようとしていなかったと思う。心のどこかで、理解できるわ、精神科医だから流石でしょ、っていい気になっていたところがあったと思う。」
これ、すごく正直な気持ちだと思います。人の辛い過去や経験を聞いたとき、その人のことを思って悲しんだり泣いたりすることはできても、心のどこかではそれができる自分に少しの満足感や自負を感じるのも事実ではないでしょうか。
綺麗事だけでないセリフをヒロインに言わせてしまうところにも、共感を覚えました。
そして、ドラマから気づいたこと、学んだことも多くありました。
私がヘスの言葉から学んだのは、「あなたは1つだけ間違いを犯した。それは、周りに相談しなかったことよ。今もそう。あなたは私に助けを求めない。私はあなたが助けを求めるのを待っているわ。」とジェヨルに言ったこと。
心の病は本人の努力だけでは決して治せない。周りの助けが必要なんです。それを本人に気づかせるというのもすごく重要。「私たちが助けるから、弱いところも見せていいから、飛び込んできて」という言葉の安心感、実際はなかなか出てこないけれど、本人にとっては治療に向かう勇気付けになるはずです。その道筋をつくってあげることの大切さに気づきました。
そして、何とか山を乗り越えたジェヨルが、ラジオ出演で語った次の言葉。
「今まで、他人には大丈夫かと尋ね、おやすみの挨拶をし続けてきたが、いざ自分自身になると、一度もしたことがなかった。今日の夜は、皆さんも自分自身に元気かと尋ね、おやすみ、の挨拶をしてみてはいかがでしょうか?」
ジェヨルは病気と自分自身に向き合ったことで、考え方を変えることができました。
理想とする自分は、時に自分を縛り付ける役目にもなる。だから、適度に自分を振り返って労わることの大切さを身をもって気づいたんだと思います。
心の病気というのは、自分が、いつ、どんなきっかけでなるかわかりません。
絶対に自分はかからないという保証はないのです。
だから、私たちは少しでもそのリスクを減らすために、日頃から自分自身を振り返り、認めてあげる心の余裕を持つことが大事だと思います。
そして、自分が困ったときに助けてくれる仲間の存在も大切にしないといけないですね。
このドラマは、実際に精神病を抱える人を身近に持つ人が観ても、軽く感じない作品になっていると感じました。
登場人物たちのちょっとした会話さえ愛しく思える、素敵なヒューマンドラマです。
気になった方や重いテーマについてちょっと考えてみようという方、ぜひ観てみてください。
OSTも今聞いても泣けてしまうくらい、全部とても良かったです!!