医療現場で働いていると、患者の体液で汚染された医療器具でうっかり自分自身を傷つけてしまう事があります。
その事故が原因で自分自身が感染してしまう事があるので、その後の処理をきちんとし、感染の可能性を最小限に抑えなくてはなりません・・・。
ある患者のベットサイドにあった注射針で針刺事故を起こしてしまった私。
しかも問題の針は、精神異常・薬物中毒・医療訴訟等で問題ばかり起こしている、今まで接した患者の中でもワースト10に入る患者の物でした。
速やかに事故処理をしたいのに関係者と連絡が取れない・・・・そんな状況で私がした事は?
前回のエピソード 「冷たい人達」
の続きになります。
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結局、何の情報ももらえず帰宅した私。
私の足音を聞きつけたBen殿が玄関から飛び出してきて、
「Shiroちゃん、大丈夫だった?」
と抱きしめると
「同僚のガブリエルに聞いたら?」
と、彼なりの意見を述べた。
「彼はただのスタッフだよ。」
と力なく言いかけて思い出した。
そういえば・・・・・。
以前ガブリエルが針刺事故を起こした事があったよね?
そうだね、彼に聞いてみよう!
ガブリエルは
「院内で事故を起こした場合、専用の用紙に記入して指定されたクリニックに行くんだ。ロイがその必要書類を持っているよ。自宅に情報があるから、僕の仕事が終わったら連絡しようか?」
と言った。
ああ、そうなんだ。
「今、僕に事故のレポートしないでくれ。」
と言ったあのロイが情報を持っているんだ。
針刺事故って労災だよね?
そんな時私はどこに行けば良い?病院で定められたクリニックって?
ロイが言っていた、インダストリアルセンターって何?どこ?
なんとなく結果が見えていた。
・・・・・今までの経験上、
だた待っていてもデレクターが私に連絡をくれないような予感がした。
場合によってはワクチンを打たなくてはいけないからのんびりしていられない。
自分で自分を守るしかない。
これを読んだ皆さん、びっくりするかもしれないけど・・・
私は院内関係者と連絡が付かないため
Google
で情報を集める事にした。
その結果、やはり病院によってプロトコルがありそれに従う事になっているようだ。
ガブリエルが言うように、通常は指定の用紙に記入し、それを持って指定のクリニックに行くのだろう。
しかしその情報は「今そんな事に関わりたくない。」と言い放ったロイが持っているのだ。
・・・最寄のER(救急治療室)に行こう。
これが私の出した結論だった。
大混雑で、丸1日待ち時間に費やすというイメージがあったけど・・・。
ERは予想に反してガラガラ。5人くらいしか患者がいなかった。
ガラガラのER
シーーーン
「今日は母の日だからERは暇なのさ。クリスマスとか感謝祭の日も暇だよ。」
と、ERのナースは笑っていた。
何となく言いたい事わかるなぁ。
そして私はなんとか無事事故処理を済ます事が出来た。
感染リスクは低かったため、ワクチンの接種はなかった。
そこのドクターやナースは不思議そうに
「あなたは自分の病院のデレクターに連絡したの?」
と聞いた。
デレクター本人から電話があったのはすべてが終わった午後だった・・・。
急いで彼女の電話に出てみたが・・・・ザワザワした雑音が聞こえるだけ。
どうやらデレクターの意思でつながったのではなく、
操作違いで繋がってしまっただけらしい。
オートリダイヤルボタンでも誤って押してしまったのだろう。
そこでやっとデレクターの残したテキストメッセージに気が付いた。
「指針事故をおこしたのは誰?事故報告書を作成して、医者にかかりたいか本人に聞け。」
とあった。
・・・どうして文字だけ?
なぜ私に直接電話してこないのだろうか?
不快な気持ちを押さえ
「事故を起こしたのは私です。詳しくは留守電に残しました。私はERに行きました。」
テキストを返す。
その後デレクターから電話もテキストも返って来なかった。
こんな扱いってありだろうか?
私は最近事故報告義務を怠ったという理由でこのデレクターに怒鳴られたばかりだ。
その内容はある患者が自分の病室が気に入らなくて一晩別室で一時的に寝た事。
こんなの良くある話で、事故として扱った事は過去にない。
しかしこのデレクターはこの件を重く見て「あなたはプロトコルに従わなかった。」と私を責めたばかりなのだ。
彼女にとって重要な事故とは何なのだろうか?
みじめで泣いている私に付き添ってくれたBen殿が
「君は自分で全部処理したじゃないか・・。君のした事は間違っていないよ。」
と慰めてくれた。
私は常日頃から理不尽な思いをしているが、
今回の出来事で
更に彼らとこれ以上関わりたくない。
と思った。
最近私がずっと仕事に関するBlogを書かない事に気が付いている方もいるかもしれない。
それはデレクター(婦長)が変わってから、院内の雰囲気があまりに悪すぎるから・・なのだ。
このデレクターは、スタッフを大幅に削減したのに残業は許さないため、スタッフの負担は大きくなっている。
5人の夜勤を4人に減らし、しかも残業は許されない。増えた仕事はタダ働きでカバーする日々。
経営者側は、人件費の節約するずる賢いデレクターを気に入っているからスタッフは訴えようがない。責任感があるナースはタダ働きでカバーするが、ずるいナースは適当に手を抜いて帰宅するためケアが不十分となり、患者や家族の苦情はもちろん増える。
そんな中でこのデレクターは自分の知人や親戚を大目に見るが、それ以外の者を努力不足と厳しく評価するため、そのプレッシャーと絶望感で更に人が辞めてゆく。
全くフェアじゃないのである。
私自身セルフエスティームも随分落ちているように思う。
評価されないため自信をなくしてしまっているのだ。
「Shiroちゃんは疲れているんだから早く寝なさい!!!」
とBen殿が言ってもなかなか私が寝付かないので、Ben殿はしょうがないなぁという表情で
バッ!(上)バッ!(下)
約2秒というストリッパー並のスピードで全裸になり(寝る時なぜか全裸)、
添い寝してくれた。添い寝してもらうと何故か良く寝れる。
そして気が付いたら朝。
かなり精神的に疲れていたみたい。
ここは、アメリカで職歴がない私に初めて働くチャンスを与えてくれた職場だからありがたく思っている。
しかし就職当時のメンバーはほとんど残っていない。
現在不景気で、新しい職場を見つけるのは時間はかかるかもしれないが
今まで辞めていった人達と同様、私も転職を本気で考えなくてはいけないと思っている。
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久々に重い話になってしまったけど最後まで読んでくれてありがとう。
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