TPP トヨタの思惑
「TPP」
この言葉、ここ数年よく耳にしますね。
日本が参加すべきか否か、
ずっと議論されているようですが
その割には、日本にとってどちらがいいのか
今ひとつピンと来ない、という人も多いのでは。
正直、ボクもよくわかりません。
まぁ、すべての人が納得する結論など無いのでしょうけど。
そんな中、トヨタ自動車の幹部が
「TPPの交渉参加を歓迎する」とコメントしたとの報道が。
大雑把に分けちゃえば
工業界はおおむね賛成、
農業界はおおむね反対、
と言ってしまっていいでしょうから
予想通りのコメントではありますが、
今回ここで書きたいのは、
トヨタをはじめとした自動車メーカーの思惑。
TPPを歓迎する理由は、
「関税撤廃による、アメリカ市場での拡販」
・・・であると、漠然と思っている人が多いのではないか。
ボクも、たいして調べもせず
なんとなく、そう思っていました。
でも、どうやらそうではないらしい。
というのも、アメリカが関税を掛けているのは
「完成車」を輸入した場合であるからです。
すでにアメリカ市場での販売分の
かなりの割合を現地生産で賄っているトヨタにとって、
実はアメリカの「輸入車への関税」は
あまり関係のないことなのです。
これは、日産やホンダにとっても同様でしょう。
では、トヨタがTPPを歓迎する理由は何なのか。
それは、「日本市場での拡販」。
トヨタは、日本がTPPの交渉に参加することにより、
日本の自動車市場の特殊事情といえる
「車庫証明」制度と「軽自動車規制」の2つに対して
「撤廃すべし」との外圧が掛かることを
期待しているようなのです。
車庫証明がネックになって自動車の購入をためらう人は
少なくない。
だから、その制度が撤廃されれば
自動車の購入に踏み切る人が増えるはずだ、と。
軽自動車規制については、
自動車販売に占める軽自動車の割合が増え続ける現状を受け、
もっと普通車が売れる状況を作りたいということなんでしょう。
・・・と、ここまでは雑誌で知ったお話。
ここからはボクの勝手な見解となりますが
この2つって
自動車メーカーにとってはどちらも拡販に有利なんだろうけど
ユーザーにとっては真逆の事象です。
車庫証明については
確かにクルマ購入の際の余計な手間であり
ほとんどの人はディーラーに代行手数料を払って
手続きをしてもらうことになるので出費増にもなる。
これが無くなるのなら、規制緩和として歓迎するでしょう。
しかし、軽自動車規制の撤廃となると
まったくの別問題。
これは事実上、
軽自動車の優遇税制の廃止と同義なわけで
つまり大増税。
到底、受け入れられるものじゃないはず。
普通自動車に関する税制を変えないまま
軽自動車枠だけ撤廃すれば
車庫証明が不要になることによる負担減など
焼け石に水。
普通乗用車の最も小さいクラスである
排気量1000ccのクルマと
660ccの軽自動車では
自動車税に4倍くらいの開きがある。
かつての中間層より購買力の低い
年収200~400万円台の「新中間層」と呼ばれる人が
増えているといわれる今、
軽自動車ユーザーにとって
優遇税制の存続は死活問題なのでは。
だいたい、自動車メーカーの中でも
スズキやダイハツのように
軽自動車を主力商品としている会社にしてみれば
経営の根幹を揺るがす話だから
そう簡単にトヨタや日産と足並みを揃えるわけにはいかないはず。
軽自動車規制が無くなれば
従来の軽自動車ユーザーがそのまま
普通車に流れるかといえば、そうとも限らないでしょう。
クルマ無しでは生活できない地方の人は
嫌々ながらも買うでしょうけど
都市部の人はこれまで以上に
「もうクルマなんていらない」という気になり、
カーシェアリングで充分、と思うようになるかもしれない。
軽自動車規制の撤廃は、
普通乗用車の自動車税などの大幅な減税とセットでなくては
国民の理解は得られないと思います。
軽自動車枠については、
撤廃ではなく規格を見直してはどうだろう。
現行の660ccでは小さ過ぎる。
これを800ccまで引き上げ、
車幅の規定ももう少し拡大すれば
海外市場でも最小クラスのコンパクトカーとして成り立つので
日本以外でも売れる道が開ける。
排気量を拡大すれば、エンジントルクも上積みできるので
燃費の更なる向上も期待できる。
そうして、現行の軽自動車税を少しだけ値上げする。
で、普通乗用車の自動車税は引き下げる。
どうせ日本の自動車市場は
今後も小さいクルマへのユーザーの移行を止められないだろうから
いちばん下のクラスの税金を無理のない範囲で値上げし、
上のクラスのクルマの税金を引き下げて
経済力に余裕のある人が大きめのクルマを買いやすいようにするのが
販売面でも税収面でもベターなのではないかと思うのですが。
ただ、軽自動車規制の撤廃は
トヨタや日本自動車工業会が政府に圧力を掛けるわけじゃなく
あくまでも「外圧」ですからね。
トヨタは、外圧が自分に有利な状況につながるのを
期待しているだけであって。
次の選挙で民主党は大敗して下野するでしょうが
自民党だってアメリカに逆らえないことに関しては
民主党と何ら変わらないから
どうなるかは判りません。
ところで、
日本の軽自動車規制撤廃を最初に言い出したのは
アメリカ自動車協会だけど、
アメリカの自動車メーカーは、
未だに日本の自動車市場が閉鎖的であって
これを打ち破ればアメリカ車が日本で売れると
本気で信じているんだろうか。
ドイツのフォルクスワーゲンやベンツ、
BMW、アウディなどは
日本でずっと堅調に売れている。
日本の制度に問題があると言いたいなら、
アメリカのメーカーは
「アメリカ車は売れていないが欧州車は売れている」という
この現状について、アメリカのメーカーに非がないことを
説明できなければならない。
例えば、BMW。
BMWは数年前、
「日本では車幅が1800mmに収まることが重要」
という日本市場からの声を受けて
3シリーズの日本仕様を、
わざわざドアノブの形状を変更して1800mmに収めた
という話がある。
ドイツ車が売れているのは、
魅力的なクルマをつくり、市場の声も大切にしているから。
アメリカ車が売れていないのは、
その逆だから。
・・・話が逸れた。
とにかく、そんなわけで
TPPの交渉参加によって
日本の自動車関連の制度にどんな影響があるのか、
しっかり注視したいと思います。
この言葉、ここ数年よく耳にしますね。
日本が参加すべきか否か、
ずっと議論されているようですが
その割には、日本にとってどちらがいいのか
今ひとつピンと来ない、という人も多いのでは。
正直、ボクもよくわかりません。
まぁ、すべての人が納得する結論など無いのでしょうけど。
そんな中、トヨタ自動車の幹部が
「TPPの交渉参加を歓迎する」とコメントしたとの報道が。
大雑把に分けちゃえば
工業界はおおむね賛成、
農業界はおおむね反対、
と言ってしまっていいでしょうから
予想通りのコメントではありますが、
今回ここで書きたいのは、
トヨタをはじめとした自動車メーカーの思惑。
TPPを歓迎する理由は、
「関税撤廃による、アメリカ市場での拡販」
・・・であると、漠然と思っている人が多いのではないか。
ボクも、たいして調べもせず
なんとなく、そう思っていました。
でも、どうやらそうではないらしい。
というのも、アメリカが関税を掛けているのは
「完成車」を輸入した場合であるからです。
すでにアメリカ市場での販売分の
かなりの割合を現地生産で賄っているトヨタにとって、
実はアメリカの「輸入車への関税」は
あまり関係のないことなのです。
これは、日産やホンダにとっても同様でしょう。
では、トヨタがTPPを歓迎する理由は何なのか。
それは、「日本市場での拡販」。
トヨタは、日本がTPPの交渉に参加することにより、
日本の自動車市場の特殊事情といえる
「車庫証明」制度と「軽自動車規制」の2つに対して
「撤廃すべし」との外圧が掛かることを
期待しているようなのです。
車庫証明がネックになって自動車の購入をためらう人は
少なくない。
だから、その制度が撤廃されれば
自動車の購入に踏み切る人が増えるはずだ、と。
軽自動車規制については、
自動車販売に占める軽自動車の割合が増え続ける現状を受け、
もっと普通車が売れる状況を作りたいということなんでしょう。
・・・と、ここまでは雑誌で知ったお話。
ここからはボクの勝手な見解となりますが
この2つって
自動車メーカーにとってはどちらも拡販に有利なんだろうけど
ユーザーにとっては真逆の事象です。
車庫証明については
確かにクルマ購入の際の余計な手間であり
ほとんどの人はディーラーに代行手数料を払って
手続きをしてもらうことになるので出費増にもなる。
これが無くなるのなら、規制緩和として歓迎するでしょう。
しかし、軽自動車規制の撤廃となると
まったくの別問題。
これは事実上、
軽自動車の優遇税制の廃止と同義なわけで
つまり大増税。
到底、受け入れられるものじゃないはず。
普通自動車に関する税制を変えないまま
軽自動車枠だけ撤廃すれば
車庫証明が不要になることによる負担減など
焼け石に水。
普通乗用車の最も小さいクラスである
排気量1000ccのクルマと
660ccの軽自動車では
自動車税に4倍くらいの開きがある。
かつての中間層より購買力の低い
年収200~400万円台の「新中間層」と呼ばれる人が
増えているといわれる今、
軽自動車ユーザーにとって
優遇税制の存続は死活問題なのでは。
だいたい、自動車メーカーの中でも
スズキやダイハツのように
軽自動車を主力商品としている会社にしてみれば
経営の根幹を揺るがす話だから
そう簡単にトヨタや日産と足並みを揃えるわけにはいかないはず。
軽自動車規制が無くなれば
従来の軽自動車ユーザーがそのまま
普通車に流れるかといえば、そうとも限らないでしょう。
クルマ無しでは生活できない地方の人は
嫌々ながらも買うでしょうけど
都市部の人はこれまで以上に
「もうクルマなんていらない」という気になり、
カーシェアリングで充分、と思うようになるかもしれない。
軽自動車規制の撤廃は、
普通乗用車の自動車税などの大幅な減税とセットでなくては
国民の理解は得られないと思います。
軽自動車枠については、
撤廃ではなく規格を見直してはどうだろう。
現行の660ccでは小さ過ぎる。
これを800ccまで引き上げ、
車幅の規定ももう少し拡大すれば
海外市場でも最小クラスのコンパクトカーとして成り立つので
日本以外でも売れる道が開ける。
排気量を拡大すれば、エンジントルクも上積みできるので
燃費の更なる向上も期待できる。
そうして、現行の軽自動車税を少しだけ値上げする。
で、普通乗用車の自動車税は引き下げる。
どうせ日本の自動車市場は
今後も小さいクルマへのユーザーの移行を止められないだろうから
いちばん下のクラスの税金を無理のない範囲で値上げし、
上のクラスのクルマの税金を引き下げて
経済力に余裕のある人が大きめのクルマを買いやすいようにするのが
販売面でも税収面でもベターなのではないかと思うのですが。
ただ、軽自動車規制の撤廃は
トヨタや日本自動車工業会が政府に圧力を掛けるわけじゃなく
あくまでも「外圧」ですからね。
トヨタは、外圧が自分に有利な状況につながるのを
期待しているだけであって。
次の選挙で民主党は大敗して下野するでしょうが
自民党だってアメリカに逆らえないことに関しては
民主党と何ら変わらないから
どうなるかは判りません。
ところで、
日本の軽自動車規制撤廃を最初に言い出したのは
アメリカ自動車協会だけど、
アメリカの自動車メーカーは、
未だに日本の自動車市場が閉鎖的であって
これを打ち破ればアメリカ車が日本で売れると
本気で信じているんだろうか。
ドイツのフォルクスワーゲンやベンツ、
BMW、アウディなどは
日本でずっと堅調に売れている。
日本の制度に問題があると言いたいなら、
アメリカのメーカーは
「アメリカ車は売れていないが欧州車は売れている」という
この現状について、アメリカのメーカーに非がないことを
説明できなければならない。
例えば、BMW。
BMWは数年前、
「日本では車幅が1800mmに収まることが重要」
という日本市場からの声を受けて
3シリーズの日本仕様を、
わざわざドアノブの形状を変更して1800mmに収めた
という話がある。
ドイツ車が売れているのは、
魅力的なクルマをつくり、市場の声も大切にしているから。
アメリカ車が売れていないのは、
その逆だから。
・・・話が逸れた。
とにかく、そんなわけで
TPPの交渉参加によって
日本の自動車関連の制度にどんな影響があるのか、
しっかり注視したいと思います。