クアラルンプールでの最後はセントラル駅近くのインド人街でカレーを食べ、鉄道で空港へ向かった。
カレーはかなりおいしかった。
空港の出発ターミナルは二つあるが両者は二つある。
金正男暗殺現場は出発ターミナルなので、このあたりだろうか。確かベンチに座っていた。
クアラルンプールとサイゴンの間は、1時間と少しだが、機内食も出た。
しかしここで成田便に乗り換えるのには4時間ほどの待ち時間がある。
電光掲示板に指示されたゲートに向かって、そこで時間をつぶした。
ベトナム航空の待ち時間にはいつもレストランでフォーを食べている。
これはハノイでもここでも結構おいしい。
というよりこのフォーの味は、東京でもどこでも同じようなものだ。
あまり違いはない。
登場予定は0時40分発のVN306便である。
空港WIFIで、日本の動画などを見ながら過ごしていたら、だんだんと待合客が減っていくことに気が付いた。
10人くらいしかいなくなった。
これはおかしいと思い、改めて電光掲示を確認したら、ゲートが変更になっていた。
時間は午前0時ごろ。
まだ余裕はある。
しかしかなり焦っていた。
いそいでそのゲートにたどり着き確認したら、ここにVN306の表示があった。
ほっ。
搭乗口近くに座席がなかったので、少し遠いところに座って搭乗時間を待っていた。
飛行機は確かにいる。行と同じボーイング787型機。
しかしいつまでたっても搭乗案内の放送がない。
遅れるのかなと思っていた。
そしてその時悲劇が起こった。
この機体が動き始めたのだ。
おい、ちょっと待ってくれ。
慌てて搭乗ゲートまで行ったが、時はすでに遅し。
係員に説明したが、もう乗ることはできなかった。
ここでたどたどしい英語で事の次第を説明した後、どうすればよいかと尋ねた。他社便への振り替えか、明日の便への変更かである。
自分はまず一つはゲート変更の際に何も案内放送がなかったと訴えた。。
次にこの便の待合室での搭乗案内の放送もなかった。
放送があれば、NARITAとか306という言葉は聞き取れるので、わかるはずだ。
また乗り込む順番などもしつこく放送、案内されるはずだ。
これが一切ない。
この空港ではそうした放送での案内はしていないようだ。
自分の座っていた位置もよくなかった。
遠い席だったので、客の動きもつかめなかった。
自分の常識とは違ったことが起きていたのだ。
これは思い込みによる想定外の出来事。
待合室には自分ひとり。
係員からは今から案内するから、別の階にある事務所に行ってくれということだった。
ここで別便のとうじょうけんが渡されるのを期待した。
ここで30分くらい待った挙句、次は空港内のベトナム空港のカウンターに行ってくれと。
しかしここで係員があることを口にした。
それはこのチケットをどこで買ったかである。
悪い予感である。
この瞬間、これは自分は他社便への変更は無理であると受け取った。
なぜならこれは激安のチケットだったから。
今度は明日になってサイゴン市内のベトナム航空の本社に行ってくれということだ。
これは社会主義国、発展途上国のお決まりのたらいまわしである。
しかしベトナム人のしゃべる英語はなまりが強くて聞き取りにくい。
シンガポールやタイでもそうだ。
ということで今日はいったんベトナムに入国をして、明日ベトナム航空本社に行くことを決めた。
ならば泊まるところをどうしようか。
ここでタンソンニュット空港を一歩出たときに、目の前に救いの神が現れた。
何と空港正面にIBISホテルのネオンがあった。
IBISホテルはもう40年前からよく泊まっている。
全世界にチェーンを持つビジネスホテルだ。
空き部屋があればよいがと思って、そのイビスホテルのドアを入った。



