福岡名物の一つにうどんがある。
それも福岡はうどん伝来の地。
しかしそれ以前にも遣唐使によりそれと似たものが伝わったとも言われている。
資料として明確なのが鎌倉時代に僧により宋から伝わったという石碑が福岡市内にある。
それがのちに発展して今の博多うどんになった。
博多うどんは全体的に柔らかく、こしのないものが特色である。
また出汁も魚や海藻を使った味の濃いものが多い。
しかし色は薄い。
現在福岡県にはうどん三大チェーン店が存在している。
福岡市を中心に全国にも店を展開しているウエスト、北九州市を中心とする資さん、福岡市を中心とする牧のうどんがある。
しかしあと一つ追加するなら因幡うどんという店もある。
これらは外の人、つまり県外者から見れば大きな博多うどんという枠内で細かい違いはあるが大体同じ。
讃岐系や北関東系との違いは明らかである。
自分はかつてこの三店は全部行ったが、中でも一番好みだったのは牧のうどんである。
今回kitte博多で餃子を食べた後、実はその近くの博多バスターミナルにも牧のうどんがあるということが分かったので、少し移動してその店に行ってみた。
ビルの地下にあったが、時間的にも遅いせいか客はあまりいなかった。
こうしたうどんチェーン店は深夜まで営業している。
一般のうどん店、蕎麦店は閉店の時間が大体早い。
それは夕食としてうどんやそばを食べる習慣がなかったからだと思う。
そういえば自分も子供のころ夕食がうどんだったことは記憶にない。
牧のうどんではトッピングのトップがゴボウの天ぷらだということが分かったので、さっそくそれを注文した。
前回3年前に食べた時にはこうしたことを知らなかったので、いつもよくやる野菜のかき揚げだった。
今回は本場風に修正した。
ゴボウは普通長いが、これは短く切ったものが大きな衣をつけて揚げてある。
しかし中身はわからない。
これも特色か。
天かすは無料なので、少したっぷりと。多すぎれば出汁をすってしまう。
この牧のうどんで気に入ったのが、一緒に出される追加の汁の入っているやかん。
これは博多うどんは柔らかいので、すぐにだし汁をすってしまい、出汁が見かけでは減ってしまうのでそれを補うためのものらしい。
讃岐うどんにも出汁の追加のセルサービスがある。
出汁の色はカツオや魚、利尻昆布(超高級品)からとったもので、黄色いよい色をしている。
西日本の出汁は薄口しょうゆで味をつけているので色は薄い。
濃い口の関東系とはここに大きな違いがある。
この出汁を単独でスープとして飲むのも非常に良い。
これが牧のうどんの特色の一つだ。
福岡のうどんは食べやすいがあまり満腹感は出てこない。
やはりこれは間食なのかもしれない。