7月になって暑さがいったん落ち着いたかと思うと、下旬になりまた厚さが戻ってきた。
東京で連日35度。これは猛暑日というが、人間が日差しのもとにいることに耐えられなくなる温度である。
直射日光下では軽く40度を超える。
そして関東平野部の奥に行くほど暑くなる。
しかし同じ関東でも太平洋沿岸部はそうではない。
東京都内でも東京湾に面する江戸川臨海というアメダス観測点では都心より数度低い。
7月31日(土)も暑い日だった。
都心では35度、なお江戸川臨海では30度だった。
道の駅発酵の里こうざきでここまで来たのだから実際に銚子に行って本当に涼しいのかを実感したくなった。
銚子が涼しいというのは昔から知っていた。
かつて銚子出身の職場の友人に聞いてみたら、夏でも夜にエアコンはいらないというようなことを言っていた。
夏の日ざしの強い道の駅発酵の里こうざきを離れて、利根川沿いの国道356号線に戻り、銚子方面に向かった。
ここから銚子までは約50キロある。
結構な距離だ。
その間車の外気温時計に注目していた。
なおこの日は近くの香取アメダスでは35度だった。
銚子の町に近づいたころが置き温度計を見たら33度を示していた。
でもこの温度計は直射日光のもとにあるし、いつでも実際の気温よりいつも2度ほど高く出るので、実際の温度は29度と推察した。
銚子の街中は暑いには暑いだろうが、東京と比べれば圧倒的に涼しいが、人のでは全くない。
道を歩いている人を見かけない。
地方の町の夏の昼下がりは今でもそうだが、人はあまり外に出ない。
強い日差しや明るい太陽を拒否しているよう態度である。
東京の新宿や渋谷とは様子が全く違う。
銚子の海鹿島という半島から海の見えるところについた。
この日は風もなく、波もあまりたっていないようだ。
車から外に出てみたら、やはり涼しい。
海からの風がポロシャツの下に入り、肌が少し冷たく感じる。
湿度は高いと思うが、あのむっとした感じはない。
やはり心地よい。
炎天下でも暑さを感じることなく、ずっといられるという感じだ。
これはその時のスマホの気象情報のスクショである。
これで調子が涼しいということが実感できた。
ちなみにこの日は軽井沢でも30度だった。
丁度その頃の天気予報で、内陸部は暑くても太平洋沿岸部は涼しいということを気象予報士が解説していた。
その時に例として挙げられたのが、房総の安房鴨川であった。
やはり銚子と同じような気温だった。
だがそこよりさらに涼しいところがあるあるというようなことを言っていた。
それは鴨川の隣の勝浦である。
勝浦は小さな半島にあり、さらにその沖合は水深が深く、ここでできた深海の冷水が対流をしており、さらに全体の海水温が低いというのがその理由らしい。
陸地の気温は海水温度の影響を強く受けるというのはよく知られた現象で、教科書にも載っている。
房総、九十九里一帯の沖合には黒潮、つまり暖流が流れているが、それでも水温は陸地の気温よりずいぶん低い。
そして次に全国の同じ地理的条件のところの夏の気温を調べてみた。
静岡県伊豆半島の石廊崎、同じく御前崎、和歌山県潮岬、高知県室戸崎でさえ銚子や勝浦と同じように気温が低いということが分かった。
沖縄県の那覇も同じように低いということはあまり知られていないが、35度を超えることはないそうだ。
夏の南方面から吹く海風がこうした半島部の気温を低くしている。




