ウクライナ戦争の報道も少しは減ってきた。これは報道が減っただけで戦争自体はまだ激しく続いているようだ。ユーチューブである新防衛チャンネルの戦況報告によると、ウクライナ東部一帯で激しい攻防戦が続いているようだ。北はハリコフから南はヘルソンまで各所で戦闘行動が行われており、買う都市、村をめぐる攻防戦が続いている。両軍ともすでに防御陣地を構築しているので、それを抜くのに苦労しているようである。またそのための部隊移動や配置転換など作戦術的な行動も見られる。榴弾砲が注目され始めたのは、その陣地をつぶす目的からだろう。平原での戦いは何よりも防御陣地が重要だ。かつてソ連軍は縦深防御という戦法を見出したが、これは大軍があってのことで、今の双方の人数では敵の間隙をまっすぐに攻め込むなど無理だろう。また無停止攻撃など側面からジャベリンにやられてしまう。ということで自分の想像ではもっとさかのぼり、第一次世界大戦型の塹壕戦になっているような気がする。これは穴を深く掘れば砲爆撃はおろか、化学兵器や核などにも有効だ。化学兵器には防毒マスクがありまた化学物質は風で横に流れる。核攻撃は熱い爆風も横からくるので、地面より下の位置ではこれを避けることができる。ただし爆心下ではどうにもならないが。今双方には攻撃の決め手が欠ける。ウクライナ側は今後NATOからの支援兵器が蓄積し戦況は有利になるが、ロシアには最終的には戦術核の使用という抑止手段がある。そろそろ泥濘状態が明け、戦車や装甲車両の活動が自由になるが、ますます増強されるジャベリンにバイラクタル、それに米軍提供のスイッチブレード、フェニックスゴーストの次々に出てくる新兵器により、ロシア軍作戦術や縦深攻撃は無理だろう。米軍にとっては新兵器の実験場になるが、新しい武器をいつ使うのですか、今でしょうという状態かと思われる。