秋田県の海産物といえばハタハタ。
脂がありまた卵もおいしい魚である。
そしてハタハタに大量の塩を加えて、しばらく置いたあとの抽出液はしょっつるという魚醤になる。
その鍋料理もある。
しかしそのハタハタも調べてみると、漁獲量の多い県は秋田県ではなく、兵庫県、鳥取県など山陰地方のほうが多い。
秋田県は5位である。
昔は1位だったかもしれないが、今は漁獲量は落ちている。
乱獲によるものと思われる。
鳥取県境港の魚市場や米子市内のスーパーではハタハタが安い値段でたくさん売られている。
最初は何故鳥取県にハタハタがと思ったが、ハタハタは日本海の魚であり、朝鮮半島沿岸から普通どこにでも生息をしている。
どこの港に水揚げするかという問題である。
きりたんぽ鍋を食べた飲食店で、それが出てくる前のあてとしてメニューにあったハタハタ寿司を注文してた。
ハタハタ一匹寿司である。
寿司といっても酢飯付きのものではない。
古代から伝わる本来の寿司。
つまりなれ寿司である。
ご飯につけて乳酸菌発酵させたものである。古代人、中世人の魚の長期保存法である。
なお中世人とは平安、鎌倉、室町時代人と位置付ける。
なれ寿司は滋賀県の琵琶湖のフナのなれ寿司が有名であるが、北日本には各種魚のなれ寿司が多くみられる。
西日本にはさほどない。
ハタハタの卵を持つメスの一本漬けである。
これは生魚であり、焼く、煮るなどの手は加えていない。
脂が多く、身がしまり、噛むときにも反発力がある。
そんなに酸っぱくはないが、食感はしめさばに似ている。
この手のものは漬けると本来の味を失いみんなしめさば状になってしまう。
ドロドロに溶けた米粒も一緒につけられて出てきている。
これも食べられる。
ハタハタの特色はその卵だ。
魚の卵はニシンとかサケなどを除いて一般的に無視されるが、ハタハタの卵(ブリコ)は大きくて、コリコリとした食感が気に入られ、身とともに最高の食材となっている。
腹の全部が卵ではないか思われるくらいその専有面積は大きい。
卵には脂分もあり、硬いので食べ応えがある。
何か輪ゴムをかんでいるような感じがする。
サケの卵であるイクラとは真反対である。
固いおおわれているという感じだ。
しかしこのブリコは今の時期しか収穫がない。
しかしこれはなれ寿司なので、いつでも出せるかもしれない。
鳥取県のハタハタには卵はない。
ハタハタの種類は同じだが、漁獲時期や産卵場所が違うからである。
秋田県のハタハタ料理として有名なものにしょっつる鍋があるが、これはきりたんぽ鍋に比べて全国的な知名度は低い。
生魚を使うので、年中いつでもというわけにはいかないからだ。
でも今はその時期だが、秋田駅前の居酒屋でしょっつる鍋を出しているところも探したが、店の前のメニューを書いた看板には、とうとう見つからなかった。
居酒屋を出た後、すぐ近くにある秋田市民市場に行った。
八戸にも青森にも仙台にもこうした魚市場的なものは多い。
この中でハタハタを探した。
ハタハタはオスとブリコを持つメスとは形が違うのですぐにわかる。
身はオスのほうがおいしいそうである。
ここは量り売りで、腹の膨らんだメスばかり4匹買った。
値段は1000円。つまり1匹250円の割だ。
冬の時期は生ものでも家に持って帰れる。
おまけに日帰りだから、新幹線の中は多少温かいかもしれないが、時間も短いので大丈夫だ。
店も氷を用意してくれた。
また干物かつけてあるのかわからないが、加工してあるハタハタも買った。
家に持って帰った後、ハタハタをそのまま焼くと、魚は一般的に肉と違って水分が多く、あまりうまく焼けないので、また保存のためもあり糠漬けにした。
4日後くらいに取り出して焼いて食べた。
そうしたらこれが糠の味も加わって、非常においしい。
今までの中で一番うまい魚を食べた感じだった
。シシャモやイワシなどより全く良い。
卵もそう変質しておらず、コリコリ感は変わらない。
理屈では糠床の中にある塩分により、水分が出され、硬くなるはずだ。
なお糠は値段は少し高いが、すでにすぐつけるようになっている仕込み積みのものを使った。
またこのマックスコーヒーペットボトル入りは川口市内のジャパンミートストアで売っていた。
しばらくはハタハタが食べれそうだ。
付け加えだが、母によると鳥取県地方ではハタハタは『猫ふまず』とか言われ、猫も避けて通るまずい下級の魚だといわれていた。
今でも食べようとはしない。
その理由は脂が多いからだ。
マグロも江戸時代にはトロの部分は捨てられていたそうだ。
日本人の味覚も大いに変わり、脂にも相当慣れてきた。
ハタハタは今では高級魚に仲間入りするくらいになっている。
上のハタハタ寿司などあの卵が張り詰めた状態は、だれが見ても高級料理だ。








