岩手県には青森県に行く途中で通過したことはあるが、ここでスーパーに行って地産品を調べたことはそんなにない。
何故ならそんなに多くのものが売っていないからだ。
岩手県の有名グルメ食品といえば、わんこそば、冷麺、じゃじゃ麺の盛岡三大麺料理が有名である。
そして百選に関してはわんこそばとひっつみがあげられている。
冷麺とじゃじゃ麺はそもそも外国由来だし、戦後に広まったものなので、百選の定義には入らない。
ところがB1グランプリとなると参加品目が多い。
久慈まめぶ汁、一関ハラミ焼き、北上コロッケ、岩手まち焼きうどん、岩泉ホルモン鍋の5品目がある。
この数は静岡県、三重県とともに全国一位である。
県の観光課や商工会などが参加を推奨でもしているのだろうか。
まずはわんこそば。
わんこそばは一関においてすでに400年前からあったという。
これはそばの食べ方の問題であり、料理法ではない。
要するに中身は単なる小分けしたそば、あるいは食べ放題である。
大食い選手権も開かれ今までの記録は非公式のものも含めて700杯台後半。
これは自分のいい加減な計算では13キロくらいにあたる。
大食いアイドルのもえあずは700杯を食べギャル曽根を抜いたそうである。
毎週月曜日の日本テレビの番組で、ギャル曽根が食べているのは4キログラム台に調整してある。
本気を出せば10キロ、わんこにして500杯は行けるだろう。
なお一般人は多くて50杯くらいが目安だそうだ。
自分は盛岡ではまだ食べたことがない。
理由はいっぱい食べようと思えば値段が高いということだけである。
他人と競争するならやってもよいだろう。
ひっつみはこの地方のどこにでもあるすいとん汁である。
せんべい汁にも共通する。
この手の汁もの、あるいは魚や肉の入った煮物はこの地方だけではなく、全国どこにでもある。
北海道、沖縄にも多い。百選にも多く選定されている。
よく江戸時代の田舎の日常ということで、家族が囲炉裏の周りに集まり、上から吊り下げた鍋のなかからお玉で汁をお椀に入れているあの風景。
あれこそがこの汁もの、なべ物の正体だ。
ということはなべ物、汁物は地域はおろか、各家庭で独特のものがあったに違いない。
岩手県は明治時代に柳田邦夫が各地の民話を集めて『遠野物語』を書いたが、民俗、伝統農村文化にふさわしい場所か。
ひっつみも材料さえ買ってくれば、今でもすぐにできる。
ただ団子を作るのは少し面倒だ。
うどんで代用すれば、野菜煮込みうどんになってしまう。
岩手県の地産食品とグルメ料理
・わんこそば ひっつみ(農山漁村の郷土料理百選)
・ホヤ ウニ サンマ カキ ウニなどの海産物
・バケツジンギスカン (遠野) 磯ラーメン(三陸沿岸)
・小岩井牛乳 葛巻牛乳 福田パン
・もち料理(一関) 久慈まめぶ汁、一関ハラミ焼き
北上コロッけ、 岩手まち焼きうどん、岩泉ホルモン鍋
この中で全国で知られているものはわんこそばと小岩井農場の牛乳だろう。
ここでいつも気になっているのが、周囲の青森県、秋田県、山形県、宮城県には地産品が多いのに何故岩手県が少ないのだろうということである。
歴史的には南部氏の盛岡藩という700年も続いたしっかりとした藩があったのにもかかわらずである。
ここは冷害による凶作が多く、地産食品どころではなかったのだろうか。
ただ食品ではないが南部鉄瓶はある。
ひっつみも飢饉の際の米の代用食であったといわれている。
岩手県のように面積が広い割には人口も少なく、まだある程度の都市も盛岡だけで、各地に人口が分散しているところで新型コロナの発生がないのはわかる気がする。