千葉県のラーメンを代表するのは何と言っても勝浦タンタンメン。
それは誰もが何となくおいしいと言っているのではなく、2015年B1グランプリ十和田大会で優勝実績があるからだ。
それも過去の大会でラーメンが優勝したのはここだけ。
出場した後の全国の名だたるラーメンも優勝はない。
勝浦タンタンメンはずっと前からあるので、車で勝浦市内を通るときにいつも店を探すのだが、店自体があまり目立たない。
幟は多少見かけるが。あまり盛んでないのかなとつい思ってしまう。
しかし何回かはどこかの店に入ったことはあった。
他の地域のタンタンメンと違って、芝麻油がなく、ミンチ肉もあまり目立たないちょっとイメージとは違うかなと思っていた。
その時は特に特徴的なものは感じなかった。
その前に勝浦市内でタンタンメン店があまり目立たないというのは、今になってはその理由は分かる。
それは大都市のようにそれだけの専門店がないからである。
これは全国どこでもそうである。
例えば富士宮焼きそばや横手焼きそばの店は焼き肉店だったり、お好み焼き店だったり中華店だったり、あるいは居酒屋だったりする。
数あるメニューの一つとしてその名物料理が存在している。
人口の関係でその名物料理だけではやっていけないからである。
勝浦タンタンメンもそれと同じで、大体普通の中華店で出されている。
また勝浦タンタンメンも商標登録されているものなので、業界(熱血!勝浦タンタンメン船団)に加盟していないとその名称を使うことは出来ない。
そして味などもだいたい同じようなコンセプトが守られている。
今回はスマホの食べログという便利なアプリがあるので、それで探していってみた。
その店の名前は『松野屋』。
ここは市原、大多喜から勝浦に至る国道297号線沿いにあり、ちょうど道すがらであった。
ここは昼食で、そのあと前に記事にした濃溝の滝に行こうと思っていた。
普通の日なのに行列はなかったが、結構混んでいた。
車のナンバーは千葉、袖ケ浦などほとんど地元。
さっそく定番メニューのタンタンメンを注文した。
ここでこれは全国どこでもそうだが、特に地名を言う必要はない。
タンタンメンで十分である。
勝浦ではタンタンメンが勝浦タンタンメンなのである。
札幌では札幌味噌ラーメンという必要ないし、福岡でも博多ラーメンという必要はない。
単にラーメンだけでOKだ。
地名はあくまでも外向きのものなのである。
地名を付ければ店主には外から来た観光客だということがいっぺんでばれてしまう。
ちょっとシャッターのタイミングがずれてしまったが、スタッフが着ている作業着のTシャツにはRAMEN松野屋と書いてある。
ここはあくまでもラーメン店である。
そうしているうちにタンタンメンが出てきた。
紅いスープの色がまずは引き立つ。
やはりあの芝麻油がないし、ミンチ肉が上にはない。
レンゲでスープを一杯飲んでみた。
予想に反してまずは辛い。
確か味が穏やかだという記憶があったが、今回はそうでもない。
通常の舌の感覚ならこれは激辛に属す。
5辛が最高だとしたら、これは4辛くらいだ。
自分は激辛が好きなので、この程度は十分に大丈夫。
刺激的な辛さではなく、また咳き込んだり、汗、涙、鼻水なども出ない。
丁度良いレベルだ。
ただ普通の感覚だとこれは辛すぎて嫌なレベルだろう。
これはマイルドな激辛だ。
こうした味は今まであまり経験はない。
蒙古タンメン中本や鬼金棒、宮崎辛麺、名古屋台湾ラーメンなどでは刺激的で咳き込んでしまったりする。
どうやってトウガラシの辛さを均等にスープの中に溶け込ませるのだろうと思った。
スープの味にもコクや深みがあり、うまいの一言に尽きる。
勝浦タンタンメンがこんなにうまいとは思わなかった。
前に行ったのが10年くらい前なので、その間にB1グランプリなどで優勝などをして、味が進歩したのか。
他の店には行っていないのでこれはよくわからない。
とうとうスープも全部飲んだ。
それと穴の開いたレンゲも今回初めて見た。
小さい具や切れた麺などをすくい上げるのに役立つ。
そこの方には結構ミンチ肉が残っていた。
また次にこの付近を通った時には別の店にも行ってみたいと思った。