スペイン料理として今日本人が知っているのは、本当にパエリアだけ。
同じ地中海地域でもイタリアのように派手に知られているわけではない。
しかし最近少しずつだがカミンングアウトしてきたものものがある。
例えば揚げパンのチュロス、香辛料ソセージのチョリソ、スペイン産生ハム、あるいはイベリコ豚、シャングリラワインなどがあり、その中でも台頭が著しいのがアヒージョである。
アヒージョは2,3年前からSB食品がアヒージョの素を発売してから、急速に知られるようになった。
それにプラスして、テレビの健康番組、料理番組などでオリーブオイルの効用が盛んに喧伝されるようになって、今日本における地位を確立しようとしている。
また輸入オリーブオイルの値段も相当安くなった。
今後ヨーロッパEU諸国とのEPAの成立でワイン、チーズなどとともにさらに安くなっていくと思う。
アヒージョはタパスと言われるスペイン小皿料理の一種であり、ワインのつまみとして食されるものである。
ニンニク、香辛料入りのオリーブオイルの中で具材を上げたものである。
実は日本にも同じような料理はある。
それは大阪串カツである。
思い出した。
スペインにもピンチョスと言われる串刺し小皿料理があり、これもタパスの一つに加えられている。
揚げる油がオリーブ油かてんぷら油かの違いだけである。
今回のスペインフェスでパエリアに続いて多かったのが、このアヒージョであった。
中の具材によって値段は変わるが大体一皿500円から1000円。
おそらくスペインの2,3倍はしている。
まずはビールにアヒージョから始めようと思った。
昨年はオーソドックスなエビとマッシュルーム入りのものを頼んだから、今回はかえて多少エスニック感のある鶏の砂肝にした。
砂肝は鳥類や爬虫類の持つ消化器官だが、肉の塊で固いので余り食材として評価は低く値段も安い。
このアヒージョには砂肝のほかに茎系統の野菜がオリーブ油の中に入っている。
砂肝を一口噛んだ瞬間、これはダメだ、固すぎると思った。
他の野菜は良いが、ひとまずこれは失敗だった。
未知のものへの挑戦には必ず成功と失敗が付きまとっている。
つまりリスクを伴う。
我慢して全部食べたが、次へ行こう。
これは特にスペイン料理というわけではなく、世界中どこでもあるが、鶏の丸焼きであった。
これはOKだ。
鶏に脂がのっており、スパイスの味付けもほどよい。
こちらは成功であった。
それに値段は四分の一サイズの500円だった。
炙りぐるぐるまわし焼き肉器で作っていた。
多分ポロが鶏、アサードが焼きという意味だと思う。
四分の一でも十分に量はあった。
そして最後のしめはパエリアかと思ったが、かつてバルセロナの市場の売店で食べた生ハム入りのサンドイッチがおいしかったので、これにした。
しかし残念。
これは中身の具が少ない。
生ハムはチーズは、思ったほど入っていない。
中抜きサンドのようなものであった。
値段が安いからこれは仕方ないか。
1000円くらいのものだったら相当充実したものが食べられると思う。
タパス、アヒージョは今後ファミリーレストランなどでメニューに取り上げられ日本でも段々と盛んになると思う。