ピースポートでは他のクルーズ客船と同様に、寄港地でも船内には朝昼晩の食事は提供されている。
しかし自分はこうした日に船内で食べたことはほとんどない。
旅の楽しみの一つには無論現地の料理を町のレストランで食べるということがある。
しかし朝食だけは軽く船内で食べた後、外に出かけている。
フリーマントルの町でしばらく道を探して住宅街をさまよった後、アメリカ西部を思わせる町の中心と思われるところに到着した。
刑務所跡などもあったが、その場所は簡単に行き過ぎる。
刑務所跡が観光地になっているのも、かつてのイギリスの流形地オーストラリアの特色である。
こうした負の遺産についてはあまり興味がない。
このあたりではピースボートの乗客とも多くすれ違う。
ここでフードコート思われる建物があったので、中に入ってみた。
フードコートは格式張らず、敷居も低く、値段も安く、選ぶメニューも多いので、海外旅行の際には一番多く利用している。
ここでどんな店が出店しているのか周囲を見てみた。
あるのはインド料理店、中華、ベトナム、タイ、日本、ピザ、パスタ、サンドウイッチ、ハンバーガー、トルコケバブ、それにビールを出すパブなど。
色々と各国料理があるのはよいが、問題はオーストラリア独自のものがないのだ。
そういえばオーストラリア料理など聞いたことがない。
海産物や肉などの食材は聞いたことがある。
ちなみにガイドブック『地球の歩き方 オーストラリア』を調べてみたら、他の国のものには最初のページの方にある写真付きのグルメ解説の欄がない。
また各都市の案内の最後の方に書いてある、おすすめレストランのページもいたって少ない。
そうかこの国には固有のグルメ料理などはないのだ。
またレストラン、ファーストフード店の世界ブランドも見当たらない。
そこがアメリカとは大きく違うところだ。
オーストラリア外食事情は世界各国からの輸入品で賄っているといっても過言ではない。
では何にしようか。
最近激辛にこっている自分にとって、最初に目についたインドカレーは絶好だ。
値段は大体一食1000円前後。
インド風のカレーにサフランの色つきライス。
量は多い。
味は一応最激辛を頼んだが、たいしたことはない。
そして800円くらいのビールも頼んだ。
ここはオーストラリアのかなりの田舎だが、ちょっと値段が高いといのではないか。
感覚として日本より2,3割は高いのではないかと感じる。
ビール一杯の800円、ないしは1000円というのはいただけない。
為替レートを1オーストラリアドル=100円(本当の為替市場での売り買いの中心値は90円)としての計算だ。
さらにここの料理は他店もすべてがこの1000円くらいである。
翌日の朝はパースでの昼食のカフェラテとでサンドウイッチ。
これだって二つで1000円以上はした。
どうもても日本より3割から5割は値段が高い。
船の中の事前の説明会で講演に立ったオーストラリア人講師が、最近は物価が高くなって申し訳ないと謝っていたが、これは本当だった。
夕食には場所か忘れたが、これは何の料理だろう。
中身は麺類だと思う。
シンガポールのラーメンである『ラクサ』か。
あるいは何かのタイ料理か。
オーストラリアに行って最初に食べたものは、なじみもあり好物でもあるアジア料理だった。