京都市内を車を運転していて、とにかく目立つのがスーパー『フレスコ』。市内で64店舗もあり、数の上では断トツである。
店も小さく中にはコンビニと間違えるようなものもある。
そして中においてあるものは一般的な地域スーパーのものだ。
自分としては全国にくまなくあるイオンを定点観測店としているので、最後に京都駅南口近くにあるイオンモール京都に行ってみた。
出来てまだ間もないと思われる。
イオンモールの郊外店とは建物の感じが全く違う。
駅近くなので土地や駐車場の広さの制約からか上に伸びたビルにあった。
ここなら観光客なども多いだろう。
1階のイオン食品スーパーにはさっそく京野菜の売り場があった。
京野菜とは何だろう。
一応平安の昔から京都で作られていた野菜ということになっており、京都市もその定義を決めているようだが、それらは結構あいまいで、広くは京都府内で生産する野菜のことを示す場合もある。
ここのイオンの特別コーナーには市内の農家が生産した野菜類が置かれていた。
京野菜は古い時代からこの地で作られている野菜である。
それは他の野菜とどこが違うのだろう。
値段は当然他のものに比べて高い。
では味などはどうだろうか。
これは自分の感じだが、多分変わらない。
ほうれん草はほうれん草で、京竹の子は竹の子で、九条ネギはネギで、要するに京都市内、あるいは府内生産というプレミアム価値が加わったブランド野菜であるという感じがした。
これらは高級料理店の懐石料理などで使われるだろう。
京野菜使用ということがその料理の高級さを表す意味になる。
普通知られているのは九条青ネギくらいなものだろう。
それはラーメンのトッピングとして使われることで全国に知れるようになった。
一般の野菜売り場にはどこのイオンでもある全国各地から取り寄せた野菜が並んでいる。
京都市のすぐ北は丹波地方である。
丹波の名産品と言えば黒豆。
右が丹波黒豆、左が普通の北海道黒豆。
値段が全く違う。
同じ重さからすると4倍の違いがある。
だがこれは丹波篠山産と書いてある。
篠山は兵庫県内なのでこれは京野菜には入らない。
しかし府内の京丹波市の山間部での黒豆もあるそうだ。
丹波黒豆がいかにブランド豆であるかということがわかる。
何故この黒豆がそんなに高級品であるのか理由は分からない。
ひょっとしたら篠山市や兵庫県農協の宣伝がうまかったのかもしれない。
京都の農山漁村郷土料理は京漬物と賀茂なすの田楽。
いずれも京野菜を使用したものだ。
嵯峨野の土産物店には山のようにあった京漬物。
しば漬け、三枚漬け、すぐき。
このイオン店の漬物売り場で探してみた。
しかしどこを見てもない。
お土産屋と同じ京漬物は一切ない。
あるものはキムチ、大根漬け、白菜づけなどどこにでもあるようなものと同じもの。
多少はあってもよいようなものだが、全くそれらしきものは置いてないのである。
ここで京漬物は京都市民の普通の日常食ではないということがわかる。
知名度の高いしば漬けくらいはあってもよいのにと思ったが、やっと一つだけあった。
これは市内の業者だが、国産野菜と書いてあるのがミソである。
すなわち京野菜ではないということだ。
スーパーだから少しでも値段を安くしたいのだろう。
京都うまいものの表示はイオンの特徴である。
京都の各種野菜惣菜である。
でも作っているメーカーはふじっこ。
ふじっこは神戸に本社があるが、この野菜惣菜メーカーでは全国大手である。
商品の種類も多く、最近はカスピ海ヨーグルトも出している。
スーパーにはおなじみである。
地産品だと思って買ってみたらふじっこだったということもよくある。
漬物の素もあった。さほど値段は高くはない。
しかし家で漬物を作るわけはないので買わなかった。
結論としていえることは京漬物を買いたければ、土産物店、駅中、デパ地下、あるいは高速サービスエリアでなければダメだということである。