これにより函館、青森、秋田、盛岡、仙台、宇都宮、新潟、長野、軽井沢、金沢に行ったことがある。
またスキーをするため岩手県安比高原、雫石、新潟県上越の八海山、ガーラ湯沢、神立高原などにも行ったことがあった。
安比高原も東京からの一番列車が着くのを盛岡駅前でバスが待っているので、時間は多少かかるが行くことができる。
しかし一般的な利用客と違うのは、これを全て日帰りで行うということである。
ホテルなどには泊まらない。
自宅は大宮駅より約30分の所にあり、大宮駅までの行きかえりには特に苦労はしない。
約2時間の東北新幹線乗車は快適そのものだ。
しかしこのところはご無沙汰しており、今回が5年ぶりくらいの利用となった。
このパスの特色は何と言っても値段が安いことだ。
毎日乗ったとしてら青森まで往復3750円となる。
だがこのパスには若い人からは年寄り優遇だと批判が出ているらしい。
それに対しJRの方も子供料金を安くし、家族連れが利用しやすい週末とか三連休期間の割引パスを発行しているようだ。
それも高いというなら『青春18切符』をやれというわけだ。
全車座席指定の新幹線には6回までの座席指定が可能だ。
だがいつも予約など取ったことがない。
予約満席状態でも大宮駅から必ず座れる裏技がある。
それは列車が大宮駅を出たところで、空いている席に何気なく座るということである。
空いている席は満席でも必ずある。
おまけに一人だからなおさら座りやすい。
車掌が来たらその際に予約1回の座席指定を切ってもらう。
次の駅は仙台だから、もうこれ以上客は来ない。
今までこれでたいてい大丈夫だった。
大宮駅を朝7時に出発した『はやぶさ』は時速300キロで快調に進む。
以前はこのスピードが少し怖いところもあったが、今はもう慣れたのか、揺れない車体による心地よさしか感じない。
車窓から見える埼玉県、茨城県、栃木県内の景色には驚嘆するものがある。
それは家々が新しくきれいなのだ。
三角屋根で色は薄いが四角い間取りの家々が並ぶ。
古い家や壊れかけたような家、建物、また廃棄物が山積みされているような工場などは見えない。
景観を悪くする二大要素の一つである看板もあまり目立たない。
そしてもう一つの要素である電線は確かに多い。
だが見た目整然としており、景色をはかいする原因にはなっていない。
家はすべて新築ないしは立て直しているようだ。
これらがあの大和ハウス、積水ハウス、パナホーム、へーベルハウスか。
大宮から離れるにしたがって田畑が増えてくるが、今は田植えが終わったところ。
まだ低い稲の苗の緑がみずみずしい。
それは一見どこまでも平面的な広がりのある牧草地のようにも見える。
そして所々には樹木がかたまって生えている円い形の林がある。
また遠方には深い緑の森も見える。

この景色はどこかと似ていないが。
平たい土地に緑の牧草地と三角屋根の家。
そして針葉樹の森。
それはオランダ、あるいは低地ドイツ、デンマーク、ポーランドなどの景色だ。
そこにはあの忌々しい落書きがないだけでもこちらの方が全然よい。
ちなみに西、南ヨーロッパ諸国は落書きだらけ。
多分ヨーロッパから来た人も何となく親近感を抱くだろう。
仙台まで1時間と少し。
しかしここでいったん席を立たなければならない。
仙台からの座席指定客が来る可能性があるからだ。
でもここでは空席は増えることはあっても減ることはない。
盛岡までの約40分間もたいてい大丈夫だ。
盛岡を過ぎればトンネルばかりだが、空いている席に適当に座ってくれというアナウンスが入る。
座席指定はいらないという意味である。
新青森に着いた。
在来線への乗り換えが少し不便だが、すぐなのでなんてことはない。
青森駅に着いて外に出てみるとおやっと思った。
この日は6月25日。何かのイベントが行われているようだ。
『東北六魂祭』。
これは看板を見てみると、東日本大震災以降の東北復興を願って青森ねぶた、秋田竿燈、山形花笠踊り、仙台七夕などの東北6県の祭りをまとめてデモンストレーションを行うものらしい。
今年で6回目だそうだ。
祭りは暗くなってから山車のパレードが始まるので、これは祭りの前座。
青森だからこれは言うまでもなく津軽三味線。
でも私は祭りには興味がないので、ここは簡単にスルーした。
それにしてもメイン通りなどの交通規制はすごかった。
また昼から歩道には見物のためのビニールシートがひかれていた。
青森ねぶた祭りのノウハウをそのまま活用しているようだ。
今回の旅の目的は青森県のスーパーで売っている地産品、特産品を調べること。
さっそく交通規制の中、バスでサンロード青森のイオンへと向う。
でもその前に昼食を。