4月の初旬、長野県南部伊那、飯田地方にスーパーで売っている地産品を求めて行ってきた。
目的地まではできるだけ一般国道で行く。
ガソリンの値段が下がった今日、高速道路に乗って高い料金を払うのは、経済合理性からいって適切とは言えない。
何しろ燃費の3倍の高速料金がかかる。
以前のように夜間半額、どこまで行っても土日1000円なら利用したい。
地方経済振興策として復活を望みたい。
埼玉県川口市からまずは山梨県まで。
行くルートは4つある。
① 首都高から中央道へ。
② 環7,8から甲州街道国道20号へ、
③ 環7,8から青梅街道、奥多摩地方国道411号へ。
④ 埼玉県西部、秩父から国道140号へ、
実はこの一週間ほど前に友人たちと山梨県石和温泉の大江戸温泉物語『ホテル新光』へ行った。
旅館そのものはきれいで、おまけに安くて非常に良かった。
特にバイキング料理が素晴らしかった。
その際は上にあげた④のルート。
秩父から県境の雁坂峠トンネルを通るルートで行った。
道も良くて意外とスムーズであった。
今回の単独ドライブでは時間もあるので、③の奥多摩ルートを通ることにした。
この国道411号線は青梅市を過ぎると、多摩川に沿った曲線道路になる。
急な山肌と深い谷、そして山の中腹あるいは崖下に家々が立つ。
ここは伊豆諸島、小笠原と並ぶ東京都の秘境。
気温も少し下がったようだ。桜はまだ咲いていない。
所々に見えるオートキャンプ場の道案内。
ニジマス釣り、地産蕎麦屋、民宿なども見かける。
視界が急に開けると、そこには東京の水源である広い奥多摩湖の壮大な眺めがあった。
今、水は十分に溜まっていた。
今年の夏に水不足はないだろう。
でも気が付いたことがあった。
県境の標識を越え山梨県側に入っても多摩川はまだ続いていた。
東京都と山梨県の県境は分水嶺ではないようだ。
行く手には大菩薩山系が横たわっている。
高度も相当高くなっており、遠くの山肌にひかれた道の線がみられるが、全体の眺めとしてはさほどでもない。
国道411号はほぼ無人地帯の曲がりくねった上り下りの山道といくつかの峠を越えた後、やっと甲府盆地が見下ろせる場所までたどり着いた。
このルートは結構な難所であった。
これはもうやめた。
高速をできるだけ使いたくなかったなら、いちはやく相模湖か上野原あたりで中央道を降りて、国道20号を進むのが一番良いかなと思った。
甲府盆地に入るとなだらかな傾斜地には、ブドウ畑が広がる。
とはいってもまだ葉も花もない裸のままだ。
人の骨格、毛細血管のような色の薄いブドウの裸木が、何か不気味な感じで横に広がっている。
同じようなところに白い花をつけた桃の木も多く見かける。
むしろこちらのほうが春を彩っている。
そこでまず行ったのは、盆地北側の斜面の中腹にある『ほったらかし温泉』。
夕暮れ時の甲府盆地の眺望は素晴らしい。
温泉の掲示にここは夜景の美しい日本新三大名所とのこと。
でもそれは甲府盆地の夜景だけではない。
肝心なのは富士山がはっきりと見えるという事だ。
露天風呂からの富士の眺め。
素晴らしいはずだが、残念ながら曇り模様のためそれは断念せざるを得なかった。
なお温泉のため写真は撮っていない。