渋滞などなく対向車もまれだ。
夏の時期の静かな日本海は、山陰沖も秋田沖も同じだ。
これが冬になると雪交じりの寒風が吹き荒れ、視界のきかない靄の中から白く崩れた大波が岸辺を打ち付ける。
左正面に見えていた弥彦山の山並みが過ぎる頃、漁港である長岡市寺泊に着く。
バスツアーでの弥彦観光と寺泊海産物店への案内はセットだ。
国道402号線沿いには駐車場があり、道の反対側には海産物店が並ぶ。
この日はウイークデイなのですいている。
この店の並びには一つだけ名前を知っているところがある。
それは『角上魚類』(かくじょうぎょるい)。
ここは首都圏も含め20店舗近くを持ち、なおかつパートも含めた1000人近くの従業員数を誇る大海産物販売チェーン店である。
川口市内にも支店があり、直送された品数も豊富で新鮮、値段も適切なので、休日なのには駐車場に入れないくらいの買い物客でにぎわっている。
魚をさばいている人が、窓越しによく見えるので、ここでさばき方を覚えた。
まずはこの角上魚類本店に入ってみた。
ここは海産物店なのに隣の『シルクロード』という砂漠をイメージさせる店名には違和感がある。レストランかな。
お
まけに仏具展とも書いてある。
こうした魚販売店やスーパーの魚売り場は好きだ。
肉売り場と違って、魚売り場には形や色彩の違うものが多く、ビジュアル感やバラエティー感があるからだ。
中には無料の水族館のような所もある。
まず目についたのがカニ。
ベニズワイガニだ。
ベニズワイガニは鳥取県境港に多く、山陰名産だとばかり思っていたが、新潟沖でも取れるのだと初めて知った。
やはり海には境目がない。
純正ズワイガニより少しカニ臭さがあるが、カニはカニで匂いになれれば何のことはない。
私の母の話によれば、昔は敬遠されていたらしいが、近年のカニ人気の向上とともに見直され、今では普通に食べられるようになった。
ズワイガニと違ってまだ輸入品は見かけないので、日本近海物の純国産といえる。
値段も安く、欠損品なら今でも3枚1000円くらいで売っている。
ここでは1枚500円のようだ。
この写真は5年前に行ったときの物。
5杯1000円とは安すぎる。
魚は季節や取れ高により値段が違うことが多い。
本ズワイガニ(越前ガニ、松葉ガニ)はまだ禁漁期間だと思うので、11月に解禁以降はこのカニでにぎわうことになる。
値段は非常に高い。