9月の中旬、日本橋高島屋にて大東北物産展があり、そこで青森県の出店品の中で、工藤パンの『イギリストースト』が売り出されるということをネットニュースで知った。
イギリストーストは過去にケンミンショウでも紹介されたし、3月に放映された『全国のスーパーで売られている地産品』に関しての番組にも出てきた。
『スタミナ源 タレ』『パラミソ』などと同様に。
ネーミングがユニークなのと青森県民が愛してやまないなどという形容もついているので、それが一体どういうものであるか、そして食べてみたいと常に思っていた。
だがよく行われている各デパートの東北物産展、あるいは秋葉原駅中、新宿西口地下通路での地方産品の売り場などでは見たことがない。
飯田橋の青森県物産館にも行って探したが、ここにもない。
青森県に行ったときに買うしかないと思っていた。
その理由は簡単に推測できた。
なにしろ生のパンだから、長距離輸送をするには鮮度が保てない。
パンは軽く、量がふくれる割には値段が安く、採算が合わない。
聞くところによるとイギリストーストは青森県内でしか販売していないそうである。
青森県民にとっては、東京で売っていなので、あれっどうしてなのだろうとおもうものの一つだそうだ。
青森県出身の私の友人にこのイギリストーストのことを聞いたら、『そういえばないなー』などと言っていた。
今回の日本橋高島屋への出荷は、県外への初めてのものらしい。
期間中毎日、青森の工藤パン工場から800個を輸送するようだ。
このことがニュースとして話題になった。
ご当地パンを出店するなど以前には聞いたことはない。
新しい試みだ。これを見て東北各県出身の人は気が付くものがあると思う。
ご当地パンの分野は、ラーメンや焼きそば、餃子、そば、うどんなどと違って全く開発されていない。
これを企画した高島屋の担当者すごいと思った。
さて私が行ったのは9月18日の金曜日の11時30分ごろ。
棚には30個くらい残っていた。
1個150円で、計5個買った。
イギリストーストは2枚の食パンの間にマーガリンとグラニュー糖を挟んだものだが、そのほかにも各種ジャムなどの挟みものを交えたものが数多く出ているとのことである。
単純なものがほしかったが、この時点ではもう売り切れていたのかもしれない。
案の定、それから会場を一回り見た後、イギリストーストが売っているところに行ってみたら、パンの棚はからで、完売という表示が立っていた。
そして12時になれば、付近の会社が昼休憩に入ったようで、さらに多くの人がパン売り場に並んでいた。
これでは19日からの連休では、開店即刻完売だろう。
包装にも青森カラーを出した物もある。
なお袋に印刷されているイギリス国旗はその使用について、イギリス大使館の公認を得ているということである。
さて問題は食べた時の感想だが、正直、要するに普通のパン製品だった。
特に際立っておいしいとかいうものではない。
普段日常的に食べるパンという枠の中に収まっている。
ただ不満足な点が一つあった。
それは内側に塗ってあるマーガリンが薄い。
もともとのマーガリン、グラニュー糖のものを食べたわけではないので、それについては何とも言えない。
何故こう感じたかというと、これの類似品は首都圏のコンビニ、スーパーでも売っている。
これは昔から好きだったので、朝食として通勤途中にコンビニでよく買って食べていた。
これに比べれば明らかにマーガリンの量が薄い。
しかしその反面、良い点もあった。
それはパンの生地そのものが、非常に弾力性があり、歯ごたえと食べ応えのあるものだった。
いわゆる歯で直ぐにかみ切れるふさっとしたようなものではなく、何かガムをかんでいるような気がした。
これは相当上質のパン素材だと思った。
青森県にもそのうち地産品を探しに行くが、もっと各種食べてみたい。