では若いメンバー、世代交代はどうか。
私の考えでは世代交代は目に見える形では起きない。
もうすでに少しずつ起きていると言った方がよい。
今年の総選挙でもマイナーチェンジにとどまるだろう。
専門の評論家やファンの予測でも劇的な世代交代を予測するものはない。
というより人間の予測能力では難しい。私に予想でもない。
では若手の進出は。それは少しはあるだろう。
若手は今までの例だとこの選挙には弱い。
順調に順位を上げたというのは数人しかいない。
若手の前評判は良くても実際に開票してみると全然ダメというケースが多い。
2年前の光宗薫がよい例である。
また去年の小嶋真子もそうである。
その理由としては若手のファンは年齢層が若く金がない。
金がある程度持つおっさんのファンもいるが限られる。
従ってCDを大量に買って投票するということが少ない。
また自分のファンを固めるのにどうしても2,3年はかかる。
そしてテレビへの露出が少なく、知名度がないので一般のファンからの票がない。
だから以外とのびない。
まとまった票を獲得するには、やはり在籍3,4年以上。
年齢的にも20才くらいになるのではないか。
山本彩や柴田亜弥、川栄李奈などが去年から今年これに該当する。
若手はよくて30位くらい。ベテランの壁は固い。
今日私が言いたいのは、若手がとか世代交代がどうのこうのという前にこのAKBが来年までもつのかという問題である。
もたなかったら若手、ベテラン全員がまとめてパーになってしまう。
それどころの問題ではない。
話は少し難しくなるが、2010年に経済学者の田中秀臣氏が書いた『AKB48の経済学』という書籍がある。
田中秀臣氏は現在は上武大学の教授で安倍首相の進める反デフレ経済政策、アベニミクスの熱烈な支持者である。
経済と大衆文化を結びつけて世の中の動向を解説をするのが得意である。
それによればアイドル文化(特に男性の支持者の多い女性アイドル)はデフレ不況下で隆盛を極めるが、経済が好況になれば衰退していくというものである。
その理由としては若者は不況下では、消費を抑え、費用が安くてすむものに向かう。
反対に好況下では消費意欲が増し、興味の対象が車や旅行、外食などになる。
ITやインターネットネット時代の今日、アイドルは安上がりだ。
そしてアイドル消費の多くが、無料のインターネットでのアイドル情報の獲得、これをアイドルのストーリーの消費と呼んだ。
グーグルプラスやメンバーのアメーバブログのことを言う。
CDやDVDの値段など車の購入に比べればしれたものだ。
また対人関係特に彼女との交際においても実物の彼女は金がかかる。
デート代がかさむ。金をかけた割には見返りがないかもしれない。
AKBのコンセプトはそうしたデフレ不況の時代にうまく適合した金のかからない消費システムだというのだ。
そして田中氏は予言する。
好景気の到来とともにこのAKBのシステムは衰退するだろう。
若者の消費が金のかかるものに向かうようになり、そして虚像(IDOL)よりリアルな実物の彼女へと向かうようになると。草食より肉食へか。
実際そのような兆候が最近見えてきていないか。
私が把握するだけでも衰退の証拠はいくつかある。
・昨年よりテレビのゴールデンタイムの時間にAKB48が箱として出演が激減した。
番組が終わっても新たな形で復活しない。
いまははっきり言ってこのような番組はない。深夜には冠番組があるが。
・日刊スポーツ新聞が今年の4月よりAKBグループの今日の予定を書くのをやめた。
・プレイボーイなどのAKB特集も少なくなった。
あってもスキャンダルが多い。
しかし今は選挙があるのでいろいろとあふれている。
・昨年おこなっていた深夜の濱野氏、青木氏などによる総選挙白熱予想大会がまだない
小林よしのりも今年は総選挙はやめたと言っている。
これらを見る限り明らかに退潮傾向となっている。
しかし今年の総選挙はフジテレビの長時間の中継も決まり、まだまだ大丈夫だが、来年となると疑問符がつく。
経済の回復とともにAKBは滅ぶのかこの1年が大事である。