ユダヤ教やキリスト教を生んだ神秘の地、また人間の体の浮く不思議な湖。
テレビの旅番組でもよく見かける仰向けになって水に浮かんでいるあのシーン。
一度やってみたかった。
アカバから死海まではおよそ200キロ、3時間の行程である。
バスの中でアラブ人ガイドから英語での説明があった。
これを船に乗ってきている通訳の人が日本語に訳する。
しかしこの通訳の若い人。どうやら日本の学校で教育を受けた人とは思えない。
日本語での歴史用語を知らないのだ。
例えばかつてこの地方周辺に強大な勢力を長く保ったビザンチン帝国(東ローマ帝国)。
この英語でのガイドの言葉を英語風にしか言えない。
日本語ではビザンチン帝国ということを知らないのだ。
そにほかにも有名な人名でいくつかあった。
多分日本で教育を受けている人なら絶対にそんなことはない。
通訳にはまず母国語教育が大事だということが分かった。
バスは砂漠の中を北に向かって進み、そのうち道がしだいに高度を下げ始めた。
いったん灌漑がされた緑のある所を通り過ぎた後、前方に水内際が白くなっっている真っ青な湖が見えてきた。
とうとう死海に来た。
砂漠の砂と青い海と空、白く縁どられた海岸線などうっとりするような非常に景色が良い所である。
見慣れない異国の風景である。
写真の向こうの対岸はイスラエル領である。
イスラエルは1968年の第3次中東戦争でこの地を獲得した。
テレビなどでよく見る死海観光はイスラエル側からが多い。
さて死海は塩分濃度が約30パーセント。塩が水に溶けるほぼ限界。海水の約10倍。海抜はマイナス約400メートル。
何とも不思議である。
水が海に流れ出ないため、溶けた陸地の塩分がたまってできたそうである。
もちろん生き物は住んでいない。
ガイドより注意があった。
それは絶対に海水を目に入れてはいけないということであった。
あと手足に傷などがあればしみる。
リゾートホテルについた。南国風のきれいなホテルであった。
着くや否や着替えてさっそく湖に入ってみた。
底が塩と石でごろごろしていたのでスリッパをして入った。
そして念願のあのポーズ。
とうとうやってみた。
いくつか気づいたことがあった。
それは仰向けにはなれるが顔に水をつけられないので、下向きにはなれない。
顔をあげての平泳ぎをしようとしても足の部分が軽く浮いてしまい、顔をあげるのが体勢的に無理である。
従って泳ぐのは立ち泳ぎとなる。手をかかなくても体が自然に浮く。おぼれてももがく必要なし。
みんなやっている。
中には有料だが黒い泥を全身につけている人もいた。私には一つ忘れたことがあった。
それは浮いたまま新聞を読むことであった。
写真右下は死海の水をペットボトルにくみ上げてお土産に持って帰った。
日本への持ち込み禁止かどうかは知らない。
いまだにまだ持っている。有効な使い道はない。
泳ぎたければホテルのプールを利用することになる。
このホテルで出た昼食のバイキングが大変おいしい色とりどりのアラブ料理であった。
これは明日に。
なお昨日田舎から帰ってきたので写真が掲載できる。