オーストラリアで、鍼灸師、指圧マッサージ師として働きたいという人が増えてきた。日本での供給の多さに辟易しているのかも知れないし、海外で働いてみたいという希望なのかも知れない。

では、軽くオーストラリアの鍼師の概要を。オーストラリアは、資格制度というのがないので、日本のように国家資格試験はない。学校に4年行って、卒業すれば、鍼師として仕事は出来る。

オーストラリアでは、国民は、日本で言う国民健康保険(Medicare)に加入しなくてはいけないが、その補足として、民間保険に入る事が多い。救急車を呼ぶのが有料なので、そういった民間保険でカバーしようという魂胆だ。鍼治療も民間保険の適用になる。

Medicareを使って、鍼治療をしようとすると、医師で鍼の勉強をした者でないとカバーされない。だから、患者が鍼治療を受けて、民間保険を使い、治療費を還付してもらおうとすると、二つの条件が必須になる。

一つは、患者サイドで、鍼治療の使える保険コースに加入している事。これは簡単だ。必要な保険コースを躊躇なく選んで、必要額を気前よく支払ってやればよい。

もう一つは、鍼灸師が、民間保険会社に登録しているプロバイダーになる事が、必要条件となる。そして、日本人の鍼灸師や指圧師にとって、難関として、大きく、高く立ちはだかるのが、この民間保険会社のプロバイダー登録なのである。

腕に自信があれば、プロバイダー登録をしなくてもいいが、しないとモグリと思われる虞がある。