まじんはひまじん | The Sun Also Rises

The Sun Also Rises

日はまた昇る

かつて、というのは40年ぐらい前になるでしょうが、私が小学生ぐらいの頃、インベーダーゲームが大流行したあたりの時代って、ゲームセンターといえば不良の溜まり場っていうイメージが強かったと思います。鳥の巣を頭に乗っけたような見事なリーゼントのヤンキーたちが睨みを利かせていて、いたいけな子供だった私は商店街の一角にあるゲームセンターの前を通るとき、コワいお兄さんに絡まれるとイヤなので足早に店の前を通り過ぎてた覚えがあります。

それが80年代後半ぐらいになってくると、おそらくファミコンなんかの家庭用ゲーム機が爆発的に普及したという背景もあったことと思いますが、ゲームセンターからリーゼント頭が消えて、代わりに今でいうゲーマーたちが増えていったように思います。

 

たぶん私が学校帰りに友人たちとビリヤードに興じていた高校生当時って、ちょうどゲームセンターの客層が入れ替わりつつある過渡期だったんじゃないでしょうかね。私はどちらのカテゴリにも属さない普通の(きっぱり)高校生でしたから、ビリヤード場が併設されたゲームセンターに足を運ぶことはあまり無かったですが、それでもビリヤードで遊んだ後、友人たちがゲームをプレーしているのを後ろに立って眺めてたりしました。

 

で、その当時友人が夢中になってプレーしてたゲームで(見てるだけでも)なかなか面白くて印象に残っているものがありまして、ちょっと調べてみたんですよ。

 

ゲームのタイトルは「源平討魔伝」

 

【ストーリー】

一一九二年、闇は来たれり。

闇の源を頼朝といふ。頼朝、あまたの魔族を率いて地を征す。

対せし平家の者ことごとく討たれ壇ノ浦に沈みたり。

天帝、世の乱れを大いに憂い、三途の川の渡守安駄婆に命じて、平家の亡者よりひとり豪の者を選ぶ。その名を景清といふ。

景清、ぷれいやなる異次元の者の布施により、地獄より甦りたり。

 

ということで、源頼朝は魔族の王という設定のラスボス。その頼朝を討つ主人公は平家の武者。その名は、平景清

景清は「ぷれいや」なる異次元の者のお布施つまりゲームをプレーする人が投入する百円玉により地獄から甦ります。

 

ちなみに、平景清というのは実在の人物で「悪七兵衛」との異名をとるほど勇猛な武者だったようです。

壇ノ浦の合戦で捕らえられた景清は、一説によると預けられた先で絶食して果てたともいわれています。

 

そんなわけで、ゲームのスタート地点は地獄。

鬼、おこ、鬼おこ!の鬼いさんたちはいません。

 

敵を倒して進んでいき、地獄のステージをクリアすると長門の国へ甦ります。長門といえば今の山口県、そうです、お察しの通り壇ノ浦ですね。

そして、プレイヤーは景清を操作して各国のステージを進んでゆき、頼朝のいる鎌倉を目指します。

また、悪魔に魂を売った頼朝を倒すには道中で手に入るアイテム三種の神器(八尺瓊勾玉・八咫鏡・草薙剣)を入手しなければなりません。

 

画面左側の赤髪の武者が景清。

 

武蔵坊弁慶も敵キャラとして登場します。

 

こちらは空中を高速回転して襲ってくる義経。大文字焼が見えるということは、若き日の牛若丸こと義経が弁慶と出会ったという京都の五条大橋でしょうか。

 

ゲームのイメージはというと、登場キャラクターをオドロオドロしくしたスーパーマリオという感じ。

プレー動画がありましたので貼りつけておきます。

 

源平討魔伝のプレー動画。ゲーム開始からエンディングまで網羅されてますのでネタバレ注意です。

 

特筆すべきなのは、動画の10:15~「摂津」と、17:10~「越中」のステージ。

コミカルで軽快なBGMで始まる「だじゃれの国」。

 

駄洒落ばかり言ってるのはだじゃれ?

要石にはかなうめえ

巻物はお前をすくうろうる(スクロール)

矢はやだ

餓鬼がきた

ムカデがむかっでくる

つづらがつづらっと並んでいる

かねがね金がねえ

曲がったままの勾玉(まがたま)

この先は闇の国 行くのはやみろ やみろっつうの

灯籠(とうとう)見つかったか

魔神は暇人

この鳥居をお通りいなされ

 

うん、嫌いじゃない、こういうの。(笑)

ところで、だじゃれの国が「摂津」というのはやっぱり関西人だからなんでしょうか?