「孝行息子」
米国ニュージャージーにイタリア人の年老いた男が、
妻にも先立たれ、たった一人で住んでいた。
老人は毎年、庭にトマトを植え、収穫するのをとても楽しみにしていた。
しかし、庭の土はとても固く、老人が一人で耕すのは、なかなか骨の折れる仕事だった。
老人には息子がいた。
名前はビンセント。たった一人の子供だった。
ビンセントは毎年この時期になるとやってきて、
畑を耕すのを手伝ってくれる。
そのビンセントも今年はいない。
刑務所に入っているからだ。
そこで老人は、刑務所にいるビンセントに手紙を書いた。
わが息子、ビンセントへ。
私はとても悲しい思いをしている。
今年はトマトを庭に植えることができないからだ。
あの固い庭の土を耕すことは、年老いた私にはどうやら出来そうにない。
もしお前がいてくれたら、きっといつものように、
喜んで畑を耕してくれたことだろう。
愛しているよ。 パパ
数日後、老人のもとに息子から返事が届いた。
親愛なるパパへ
庭を耕してはだめだ。そこに死体を隠したんだ。
ビンセントより
次の日の朝4時、老人はドアを叩く音で目が覚めた。
ドアを開けると、大勢のFBI捜査官と警官達がいた。
彼らは、庭中を掘り返したが、結局、死体を見つけることができなかった。
警官達は、老人に謝り、すごすごと帰っていった。
数日後、老人はまた息子から手紙を貰った。
親愛なるパパへ
もうトマトを植えることができるでしょう?
今の僕にできることはこれしかなかったんだ。
ビンセントより
※アメリカで流行ってたジョークです。