4月30日の土曜日、オバマ大統領は、ホワイトハウス担当の各メディアの記者を集めた
夕食会に出席する。襲撃直前の出来事だ。
「今日は皆さんに、私が生まれたときのビデオをお目にかけましょう!」
大統領が実はハワイで生まれていないのではないか?という論争をジョークのネタにし、
会場は笑いに包まれる。
「まさか、この時、ビンラディン襲撃が着々と進んでいたとは、
私達記者も全く知りませんでした。」
5月2日早朝。2機のブラックホーク・ヘリコプターが25名の隊員を載せ
ビンラディン氏の邸宅に向けて飛行を続けていた。
ブラックホークは、世界中で使われている強襲用のヘリコプターだが、
米海軍は特殊装備で改造して使用している。
ところが突然、1機のヘリコプターが浮力をなくしてしまう。
ホバリングしながら、塀の中の敷地内に飛び降りる予定だったが、
このままではホバリングできない。
やむを得ず、敷地の外にヘリコプターは着陸する。
最初から、大きなトラブルに見舞われた。
隊員達はすぐに4mを超える塀を破壊し、進路を確保。
敷地内に飛び込む。
一方のオバマ大統領は、ホワイトハウスのシチュエーション・ルームと呼ばれる
指揮司令室でテレビ画面を食い入るように見つめていた。
現地からの情報は、もう25分も入ってこない。
息を呑む時間が続く。
隊員達は、作戦開始前に神に祈る。
そしてその後に、今までの訓練や情報をもう一度頭の中で整理する。
仕掛け爆弾、自爆攻撃、どんな罠が待ち受けているか分からない。
敷地内突入から時間が早く進み始める。
米軍の急襲に気がついた連絡係が、邸宅の南側の端のゲストハウスから
射撃を仕掛けてきたのだ。
隊員達は、訓練通りに家の中に進入。
まず連絡係の妻、そして兄弟、さらにビンラディンの息子の一人を殺害する。
さらに3階にあがる。
ここでビンラディンと初めて対面することになる。
部屋のドアを開けて、ビンラディンが廊下の様子を伺っていたのだ。
隊員はすぐに発砲するが、一発目は外れる。
ビンラディンはすぐにドアを閉め、部屋の中に逃げ込む。
ドアには鍵がかかる。
隊員達はドアを蹴破り、部屋の中に突入する。
ビンラディンの妻の一人が、隊員に向かってくる。
すぐにその妻は足を撃たれ、崩れ落ちる。
さらにビンラディンの胸と左目の上の額を連射する。
ホワイトハウスに現地司令官のマクラーレン中将から連絡が入る。
「ついにやった!ビンラディンを殺害した。」
しかし、まだ問題がある。隊員たちが無事に帰還できるのか?
ビンラディンの遺体、パソコン、DVD、メモリーなどのデータが、
証拠として、後の分析用に運び出される。
墜落したヘリコプターも軍事機密保持のため、爆破する。
(半分しか爆破できず、後にパキスタン政府がしっかりと調べていたが・・・)
ビンラディンの遺体は、イスラムの教えに則って、24時間以内に水葬。
そしてオバマ大統領が、国民に向け発表する。
「ビンラディンが死んだ。危険な大胆な作戦が成功した。」
(終)
追記
ちなみこビンラディン死亡の数日後に、
ディズニーは、「SEALチーム6」の商標を登録。
次の映画のタイトルか?