ママもたまには | shell studio

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◆accesory◆lunch box◆

 

子どもが生まれたばかりの頃、
なにがびっくりしたかというと、そう簡単に外出できないことでした。

まったくできない、というわけではないのですが、
なにしろちょっと買い物へ行こうにも、
アカンボを連れて行くとなると必然的に
オムツにタオルに着替えに哺乳瓶におもちゃに…
ママバッグだけでかなりの重量になってしまうのでした。

よいしょと持ち上げて、ベビーカーをがちゃがちゃと車に乗せて、
それから肝心要のアカンボを車に設置。
すでにうぇーんと泣き顔。
スーパーにたどり着くまで泣き通し…

これでご機嫌に牛乳買って、お米買って、ビール買って、紙おむつ買って
帰ってこられるわけありませんわね。
腕がもげちゃう。アカンボだけで5kgはあるのだもの。

「飛行機になくアカンボ」事件がありましたが、
一緒に搭乗した人が怒っちゃう人の気持ちも分からなくもない、というのが本音。
泣き続ける赤ちゃんと3時間も5時間も缶詰になるのは
自分も、体調と精神が万全なら何とか我慢できるかもしれないけれど…

自分の生んだ子さえ、車の中でギャーギャーと20分も泣くと
途方にくれちゃう。

あかんぼは泣くもの、と達観できるのは60歳過ぎたくらいからのようです。
孫になると泣いていてもかわいい、という神の心境にまでなるご様子。

それを一般人にまで求めるのは酷というもの。

でもねえ、ママも必死で何とかしようとは思っているのですよ。
なんともならない、と知っていても。
冷たい目で見られたり、舌打ちされたりしてるのも知ってるんです。
だって自分だってこの場から逃げ出したいくらいなんですものー!!

いろんな状況から考えて、
ママというものはだんだん外出しなくなるんですね。

これだけの大荷物を準備して、担いで外へ出る元気ない。
何かあったときの(たいてい何かあります。吐いちゃったり漏れちゃったり泣いちゃったり)対応がつらい。

それで、寝不足で疲れて顔もパンパンにむくんでるし、
もちろん独り身だったときみたいにヘアサロンにもいけてないから
髪もぼさぼさだし、メイクもしてないし…

もうね、スパイラルです。
だんだん自分にも自信をなくしていくしイライラしてきて、
だいじなわが子すらうっとおしくなっちゃう。

ここで大切なのは、家族でも外部でもいいからヘルプを頼むことです。
頼むという行為を面倒がらずに、人様に力を貸してもらうことです。

プライドもメンツもかなぐり捨てて、
「ひとりでできるもん!!」なんてがんばらないで、
もうだめだー、ストレスがたまったー、ひとりでショッピングにいかせてー!
と甘えましょう。

電話を使い、ネットを使い、経費も時間もかけて、
自分のための時間を何とか捻出しましょう。

そのままどうでもよくなってしまい、すべてが億劫になってくると、
あまりいい精神状態ではありません。気力は、まったくなくなってしまってから、立ち上がるには大変な努力が必要になります。

今は幸い、社会にもママヘルパーのシステムができつつあり、
声を上げさえすれば対応してくれる機関があるものです。

自分のために、そしてがんばって生んだわが子のためにも、
ちょっとした工夫で、自分をケアしてあげたいものですね。