しかしその通りなんです。
嬉しかった第一子、生まれてきてくれてありがとう!!なんて舞い上がって大騒ぎ。
退院するまでに写真は100枚を超え、
家ではイソジンで消毒しないと赤ん坊に触らせてもらえないという戒厳令。
ちょっぴり難産で、
軽くお医者さんに
「母子ともに生命の危険があります」
なんてビビらされてのお産だったものだから、
もう大人だけの自堕落で勝手気ままな暮らしをしてい自宅では、
大変なことになっていました。
「こんな汚い風呂場をつかっても大丈夫なのか!?」
「畳は消毒したのか!?」
「アカンボの布団は絹がいいって聞いたぞ!」
「うがい手洗いしないと家に入ってくるな!!」
「アカンボの服は熱湯消毒するの!?」
しかし、どんなに厳重にしていたって、
アカンボは鼻水タラーリ、そりゃ風邪くらいひきます。
生後2ヶ月もした頃、タラーリちゃんがふがふがと息苦しいご様子。
「んんー?」
と覗きこむと、おお!
ちょっと見たことのない大物が鼻の穴をがっつりと占拠しているではありませんか。
アカンボというか、こどもの鼻くそって、笑っちゃうくらい大きいんですよね。
何で気にならないの?って突っ込みいれたくなるくらい。
しかし、初めてのアカンボ初めての育児にあわくっている私たちは、
タラーリちゃんの鼻の中のブツに手を出すこともできなかったのです。
「不用意に触って鼻の粘膜を傷つけたらどうしよう…」
など真剣に悩んでました。
よし!!
こういう時はお医者さんに聞いてみよう!!
ああ、浅はかな私たちは、夜中の小児専用救急ダイヤルにいそいそと電話をかけたのです。
用件は
「赤ちゃん、鼻くそが詰まってすごく息苦しそうなのですが…」
ちなみに室温・湿度も報告いたしました。
28度、湿度60%なのですが、それでいいでしょうか!? と。
電話に出られた看護婦さん、一瞬の間があり、
やや怒気を含んだお声で
「鼻くそで死にませんから。赤ちゃんだって、鼻で息ができなければ口で息します。鼻くそ、取れたらとってください」
おっしゃるとおり。みもふたもございません。
お忙しい夜中の救急現場に、鼻くその相談電話をかけた私たち。
この時、確かに何かから目が覚めたのです。
この一件は、もう15年も前のことですが、
私たち夫婦の間では一生笑えるネタとして、
老後まで楽しめる!と大事にしてあるエピソードです。