子どものいる方とお話していると、
「うちもね…」
なんていろいろな昔話が出てくるものです。
素敵な息子さん娘さんに育って、順風満帆に思えても、
皆さん実はご苦労なさっていることって多いですよね。
最近聞いたお話の中では、
「娘は生まれたときからひどいアトピーで」
ということでした。
我が家にもアトピッコは二人ばかりおります。
やっぱり生後一ヶ月も経たないうちからステロイド剤のお世話になって、
早12年。
昨日、また国立医療センターへ行って、山盛りステロイドを頂いてきたところです。
お客様の娘さんも、生まれたなりから、大変だったそう。
今はもう立派な小学校の教諭としてお仕事をされ、
勤続10年のベテランになっておられます。
「ただねえ、小学校ってプールの指導があるでしょう、それが本当にダメで…」
潮風に当たっても腫れる顔、自分の汗でかぶれてベタベタの汁が出てしまう背中。
塩素の入ったプールに入った夜は、本当にひどいんだそうです。
何度入院したかわからない、とおっしゃっていました。
漢方薬がいいと聞けばそれ、名医がいると聞けばそこ、有名な温泉があると聞けばすぐに出発。二週間も入院するときれいになるけれど、また元に戻る、の繰り返し。
今でもステロイド剤は欠かせないそうです。
「ただ、本人もその身体と一生付き合う覚悟だし、自分でやりくりするしかないしね」
と親御さんは笑っておられました。
他にも、お子さんがひどい喘息で苦労なさった親御さんや、またひきつけ・痙攣を20回も繰り返し、何度も脳波を測りに行って検査して、とのお話や…
今は当事者のみなさんも、大きくなって、笑い話になっておられました。
でも、当時はよく泣いたものよ、と。
そうなんですよね、過ぎてしまえば、そして覚悟が決まってしまえば、
笑い話になる日がくるのでしょう。
子育ての渦中にいて、悩んだり迷ったりしている間は泣いてもいいと思うのです。
たくさん泣いて、納得するまで探して試してごねて探すしかない。
我が子だもの、自分が何とかしてやりたい、自分しか何とかしてやれない、
との必死の思いが、涙になるんですよね。
みんなみんな、どの親御さんもそんな必死な思いで子育てしていらっしゃるんだ。
そう思うと、家族って、親子って、強いわけだなあと思います。
そしていつか、ああ、この子の人生だもの、そしてこの子の身体だもの、
自分で何とかするしかない、私はできることはみんなした、
と納得する日が来るんでしょう。
それまでは「がんばれ私たち!!」
自分にエールを送りつつ過ごしていきましょう!!