お兄ちゃん風 風速100m! | shell studio

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ぴっかぴかの我が家の新一年生、いつもはのんきでほがらかさんの性格なのですが、
今日はなんだか様子が変。

うわあーーーーっ!!と叫んで布団の中にもぐりこみ、
どうやら中で暴れている様子。
そっとのぞくと涙々で両手を振り上げ、枕と格闘しているではありませんか。

どうやら、兄弟げんかしたようです。

毎日毎日のことなので、いつもはほったらかしのママなのですが、
あまりに荒れているのでちょっと一緒に布団に入り込み、
抱っこして話を聞いてみました。

発端はいつものようにどうでもいいようなくだらないこと。
お兄ちゃんが意地悪した、お兄ちゃんが貸してくれなかった、etc…

なのに、今日に限ってこの暴れ馬はなぜ?

すると
「だって、ぼく、あき兄ちゃんにもサト兄ちゃんにも怒られるんだよ!!いつもいつも怒られてばかりでもう嫌だ!!」

そうなんです。この一年生は三男坊。六年生と中学三年生の兄がいるのでした。
このふたり、それぞれで見ればまあまあのお兄ちゃん。

(少なくとも)親のいる前では手をあげたりはしないし、できる限り暴言もはかない。

「弟のように、体力も弱いに人間に強く出るのは、甘えん坊のだらしない人間のすることだっ!やるなら自分より強い人間にむかってこいっ!」

っというパパのご無体なお叱りが怖いので、そんなにはきつく当たらない筈。
ですが…

やっぱり一年生には、なにしろ大きさも力も知力も違う。
この兄ふたりから、いっぺんに自分のダメだしをされては、たまらないというものです。

こどもは「それはずるいこと」と思ったら情け容赦ありません。
われに正義あり、と思い込んだら、自分のことは棚に上げ、
相手の状況などお構いなしに正論を振り上げてきます。

いつもいつも負けていて、つまらない弟が、
ちょっと生意気な反撃に出たり、こずるい方法で勝とうとしたりしようものなら、
ここぞと叩きのめしにきます。

お兄ちゃん風が、もう、風速100mの勢いで吹き付けてくるんですねえ。

これでは三男坊もたまらない。
ちょっと浅知恵を働かせて、自分に分が悪いだけに反論も許されない。
そこで布団をかぶって号泣…という訳だったんですね。

兄ふたりには、弟の気持ちを伝えて自分の身の回りを振り返るよう話しましたが、
兄貴風は、吹かせているほうは案外気づいていないもの。
「えーっ僕ら悪くないよー」
としれっとしたものです。ここはまだまだ時間をかけて話さなければならないところ。

自分が有利な立場にいることに気づかず、横柄な態度で正義を振りかざす、
その傲慢さが人を傷つけること、恨みを買うこと、相手の立場を考える思いやりに欠けていること。

親風という言葉もあるのかどうかは分かりませんが、ちょっとわが身も振り返らなければいけないな、とも思った一幕だったのでした。