5年前の朝だった。母をショートステイ(施設への宿泊)に出す準備をしていた時だった。母は1泊や2泊の泊まりも嫌がって、父に「あの施設では他の人の糞尿の付いた布団に寝せるのだ」と言っていて、驚いた事に父はその話を信じていて、数日前に近所の人にその悪口を父が話していた。「そんな事あるはずないでしょ!」と私は言っていたが、その朝、母が部屋に置きっ放しにしてあったカーディガンに、猫がうんちを付けてしまっていたのに気付かずに、ベッタリと糞の付いたカーディガンを着ていた。「ほら!お父さん、これだよ。お母さんは猫の糞が付いていてもこうやって分からない!施設の布団に自分で付けたんだよ」と、母のカーディガンを脱がせようとすると、父がいきなり殴り掛かって来た。「施設なんて行かなくていい!親の面倒を見られなくてどうする!」父の目は血走り、ゴリラのように歯をむき出していた。「普通じゃない!」気が狂ったようになっている父に、誰か助けて!と心が悲鳴をあげていたが、声は出ず、何とか抵抗するのが精一杯だった。襖のつっかえ棒に使っていた竹竿で、父は私の腹を突いてきた。竹竿で叩くなら、ただの喧嘩だ、「殺される!」と私は思った。私は、父を思い切り突き飛ばして、母を連れて地元の警察署へ向かった。