22年ぶりの再演となった『PUCK』。
当時、「宝塚花の指定席」という神戸テレビだったかな?
その劇場中継がNHK以外で唯一テレビで見られる舞台でした。
月1回のペースで、私の住む千葉県でもチバテレビで放送されていたんです。
CMが入るのと、1:45の芝居を1時間で放送するわけですから、大幅なカット。
今でいうとダイジェストのような感じです。
それでもヅカファンになりたての中学生にはそのテレビ番組は待ち遠しいものでした。
その時に出会ったのが、涼風真世さん主演の初演PUCK。
ベルサイユのばらからヅカファンになった私にとって、ヅカの舞台は豪華絢爛な歴史絵巻だと思っていたのですが、PUCKは違いました。
今改めて見返すと、イケコ巨匠のテーマは自然保護を大義名分に己の利益を優先する悪巧みな役。
そして遺伝子(DNA)操作やインターネットなどもいち早く取り入れていましたね。
PUCKではハーミアに懸想するダニエルが、自然との調和と謳いながら自然破壊をしていく。
オーシャンズ11ではエコホテルを造るベネディクト。
後者では、真琴つばさ主演のバウ、ローンウルフにLUNA。
LUNAでは今では当たり前となったネットでのクラウド音楽配信も話にちょろっと出てきます。
2000年ですよ?
まだ携帯の着メロが精いっぱいだった時代です。
そんな時からクラウド音楽配信をヅカの舞台に取り入れるなんて、イケコ先生の先見の明。
お、そういえばタイムリーにも、STAP細胞の存在が否定されつつある実験結果が公表されました。
LUNAではDNA合成を行い、最強の人類を目指すブライアン。
このシーンもコミカルで、囚われて実験台にされそうな大和悠河演じるピート。
ブライアン紫吹淳が問います。
「ピート、君のなりたかったものは何? 君のヒーローは誰?」
それに対するピートの答えが、
「アーノルド・シュワルツネッガー!!」
このときのリカさんの表情がまたよくて、「シュワちゃん?!」と片眉を上げる。
ピートはエルビス・プレスリーの揉み上げからドクトルが生成したDNAを注射されてしまいます。
LUNAでは、最強なのはやっぱりマミさんの月読だったというオチ。
話をPUCKに戻すと、再演って難しい。
スカピン、オーシャンズ、ロミジュリのようにまだ10年たっていないもの、ベルばら・風共・エリザベートのように10年以内には再演されているもの。
それらと同じ再演というにはちょっと無理がある、22年前の作品PUCK。
ダニエルの計画はフロッピーディスクからDVDへ。
ボビーが森のステージで寄付金集めのライブは衛星放送での中継からインターネット配信へ。
ん? わかばの役、トレイシーって初演にいたっけ?と思いましたが、財政難になったグレイヴィル家で、「お父さん、お母さん、お小遣い頂戴」という娘! いた! 朝凪鈴さん?朝吹南さん?だかがやっていました。
所どころ現代的になったのはともかく。
22年間再演がなく、ビデオも発売されていない時代です。
当然、話の内容は知っていても、細かい所は知らない人が多い。
主演の龍真咲は初演の大ファンということで、セリフを全部覚えているくらい。
生徒の中にも美弥ちゃんはじめPUCKの大ファンは多い。
しかし、演じる側が知っていても、観客は初めてPUCKを見る人の方が多いのではないでしょうか?
これがアダとなってしまいました。
私が観劇したのは貸し切り公演。
友の会ではないので、こういう貸し切りの時だけ観にくる人も多い。
ところが貸し切り公演になると俄然張りきってアドリブを飛ばすジェンヌさん。
残念だったのは、本セリフに混じってアドリブが多く、セリフがゴチャゴチャしてしまっていたこと。
アドリブは自由気ままに言うのではなく、観客が笑えるところでボソっと入れるからこそ面白いのになー。
ビリヤードのシーンでは美弥ちゃんと光月るうさんの土壇場。
ここは初演でも、マシューとダニエルの掛け合いがあったところですので、1つのアドリブの見せ場でしょう。
とはいえ、私は生でPUCKを観劇できたことに感動。
最後のストーンステージでPUCKが歌うエバーグリーンはもう、泣きそうでしたね。
ヅカファン歴ももう25年。
長くファンをやっていてよかったーと思うのは、こういう、若い頃に見て印象に残っている思い入れのある作品を生で観る機会に恵まれた時。
今回のPUCKもそうでしたが、以前OG公演で紫苑ゆうさんを生で、しかも東京の公演で観られたことは1つのターニングポイントでした。
その後もエリザベートガラコンサートで、なんとシメさんのトート閣下を拝むこともできましたし。
ノバボサの再演、凰稀ルドルフのうたかたの恋など、やっぱりタカラヅカはいい作品があるなぁとしみじみしながら、有楽町と後にして丸の内に向かいましたとさ。
