8月に発売と同時に太陽王のDVDを購入したのですが、なんだかんだでやっと最近になって見ました。

 

タカラヅカのDVDを放置するなんて、アタシとしたことがッ!

 

 

1本モノなので、ゆっくり時間をとって見たかったのですよ。

 

 

で、率直な感想は、

 

「???」

 

正直、消化不良でした。

 

 

本国フランス版も映像でみましたが、バレエとサーカスが合わさったような舞台。

 

しかし元々男女でやっている舞台を、女性だけのキャストでやる、しかもタカラヅカにはすみれコードというものが存在しているわけで…

 

そのままを当たり障りなくアレンジした状態だったので、消化不良なわけです。

 

 

きっと、このミュージカルを東急オーブまで観に行った人は、「ちえのダンス!」「壱城さんキレイ!」「夏樹れい君の迫力!歌ウマ!」と、その辺りの感想しかでなかったのではないでしょうか?

 

 

決して話の内容が分からないワケではありません。

 

というのは、私がロココ時代に興味があるから、モンテスパン夫人の黒ミサや弟ムッシューの派手さとかが理解できるワケで…

恐らく、ロココに明るくない人は、「なんで黒ミサ? そもそも黒ミサって何?」「ムッシューってなんであんなに派手なん?」と、こんなイメージではないかと。

 

つまりね、同じフランスミュージカルなのに、ロミジュリがヒットしたのに太陽王がおそらく再演は無さそうな雰囲気になっているのは、演出の技量だと思うんですよ。

 

 

ロミジュリみたく、タカラヅカに合わせて本国にはない『愛』というキャラを作っちゃうくらいしないと。

 

いわゆるタカラヅカナイズさせないと、ヅカファンには受け入れてもらえないのでは?

 

もっと古い話ですが、エリザベートが初演から18年だそうです。

 

え? もう18年もたっているのね…

しかも前回の月組から5年とか。

 

まぁ、今更イケコ巨匠とキムシンのレベルを指摘するのは、イケコ巨匠に失礼だとは思いますが、エリザベートもウィーン版は主役はエリザベートなんですよ。

 

 

しかし男役至上主義のタカラヅカで上演するにあたり、ヒロインの相手役的なトート閣下をトップに配役する、そして物語があたかもトート閣下が進めているようにルキーニを狂言回しに使うという、クンツェさんもビックリな潤色をしたのです。

 

 

2012年にエリザガラコンに行った時、パンフレットに上演当時のことが書いてありました。

 

以下蘭月の要約。

 

最初にウィーンで観た時、タカラヅカと相入れるか心配だった。

 

しかし劇場でたまたま元星組トップスターの紫苑ゆうに会い、紫苑がキョーレツな神戸弁で「センセー! このミュージカルいいね! ワタシ、やりたかったわぁ!!」と言った。

その言葉で背中を押してもらった。

 

この時の恩返し的な意味で、2012年のガラコンにシメさんをトートとしてキャスティングしたそうです。

 

 

キムシンも、『王家に捧ぐ歌』の時は「スゲーッ、新しい!いままでのタカラヅカに無い感じ!!」って感激したのですが・・・

 

最近のキムシンはドン・カルロスもフーンで終わっていまうくらい、盛り上がりに欠ける。

そう! 山場が無い…

見どころは黒ミサだけかいな。

 

あとは配役が微妙だと思ったのが、ポコちゃんのコルベール。

 

ポコちゃんのキャラとは恐ろしくかけ離れているので、彼女の魅力が半減。

ナポレオン新公のタレーランほど腹黒くないしね、コルベール自体が。

 

真風くんのボーフォール公も、かつての名作アンジェリークだったらともかく、太陽王においては真風くんの立ち位置的にもったいない。

 

 

ハマっていたのは3人。

 

紅のムッシュー、壱城モンテスパン、夏樹ヴォワザン。

 

メインキャストが少ないので、では真風くんやポコちゃんは何だったらよかったのか?ということになってしまいますが…

 

麻央くんはギリギリセーフかな?

 

太陽王、星組じゃなくてもよっかたのではないかと思っている、そんな秋の夜です。