ピアニストのアレクサンダー・ガジェヴさんの東京でのリサイタルへ行ってきましたので鑑賞メモです(以下、敬称略)。

第18回ショパン国際ピアノ・コンクール第2位でソナタ賞も受賞したガジェヴ。

関連記事:ショパンコンクール結果発表・ファイナル3日目ミニ感想~反田恭平さん 小林愛実さん ガジェヴさん

 

昨年、ショパンコンクールの演奏をネットで聴いていて、ガジェヴが紡ぎだす音にとても魅了されましたほっこり
私には、彼のピアノは「聴くビタミン」みたいでした。

公演チケットは完売。
こちらはホール外に貼られていたチラシ(表・裏)。



開始時間になると、コンサートホール内の客電が落ちて暗闇に。
ガジェヴからの音声メッセージが流れました。
 

その後目を閉じて2分間の瞑想タイム。
その間にガジェヴがピアノへ。


私は今回、舞台にものすごく近い列の下手側に席を取りました。ピアニストを見上げるような位置になります。

音響的にはここじゃないほうがいいような気はしますが、この公演ではガジェヴの演奏をできるだけ近くて見たいと思いました。


もちろんこの点は大満足ですし、演奏者に近い席の良さもあらためてかみしめました。
どの席もそれぞれ良いところあり!
 

 

プログラム前半はショパン

静寂から始まった「前奏曲 嬰ハ短調 op.45」。続けて「ポロネーズ第5番」。
この2曲はガジェブのショパンコンクール2次予選の選曲に含まれていました。
 

そして3次予選で弾いたピアノ・ソナタ第2番「葬送」
 

ガジェヴの衣装はスタンドカラーの長袖の黒いシャツに黒パンツ。
腕が長くて手が大きい!指も長い。

2次予選の映像

 

 

近くで演奏を見るとかなりパワフルに弾くときも多く、椅子の上で身体がはねるように見えたときもありました。

右手人差し指の第2関節をテーピングしていました。もしどこか痛めていたのだとしても、まったくそんなことは感じさせない素晴らしい演奏でしたキラキラ


個人的には生でガジェヴを聴いてまず思ったのは、「映像で視聴していたよりも、生はもっと色彩豊かで華麗な演奏」です。
ゆっくりとためるように聴こえる部分もありました(あくまで私の感じ方です)。

ショパンコンクールではカワイのピアノを使っていましたが、今回はスタインウェイ。

『題名のない音楽会』から贈られたスタンド花



休憩を挟んで後半はシューマンの「幻想曲 ハ長調 op.17」。この曲についてはほとんど知らず、一応、音楽サブスクでざっと聴いてからリサイタルへ来ました。


約30分の大作で、美しいフレーズが散りばめられ、ガジェブの豊かな叙情性を堪能できる作品と感じました音譜

彼がこの作品を好きだという気持ちも演奏からたくさん伝わってきました。


アンコールは2曲。曲名が書かれたボードを見つけられずに帰宅しましたが、今までの公演のツイートを探して確認できました。

 

ショパン 24の前奏曲より第4番ホ短調
ドビュッシー 12の練習曲より第11番 組み合わされたアルペシオのために
ドビュッシーのこの曲はまったく知らなかったので音楽サブスクで聴き直しました。

 

 

特に2曲目のドビュッシーを聴いている時間は、キラキラした波間を漂っているようでしたラブラブ

 

熱い拍手に何度も舞台に戻り、ていねいにお辞儀をするガジェブでした。


リサイタル全体の私の印象は、やはりとぎすまされた「美」
そして細部まで突き詰めたような緻密さ
 

ガジェブならではのリリカルさと豊かな響きに、「また生演奏を聴きたい」と強く思いましたビックリマーク
 



終演後のオペラシティ


第18回ショパンコンクール開催期間中に書いた記事から:
ショパンコンクール3次予選2日目感想メモ~古海行子さん アレクサンダー・ガジェヴさん

 

ショパンコンクールファイナル2日目ミニ感想~ガジェヴさんとガルシアさん ピアノ協奏曲第2番

 

 

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