このGWは新国立劇場バレエ団の『シンデレラ』ざんまいでした。

夢のような美しいひとときに、しばしおとぎ話の世界に紛れ込んでいたかのような心地を味わわせてもらいました。

 

 

プロコフィエフの美しい音楽にのせて、アシュトンの描き出すシンデレラの世界を、実力のあるダンサーさんたちが見事に踊られましたキラキラ

吉田都芸術監督の指導も相当なものであったのではと感じさせる素晴らしさでした。

 

公演ページ

 

 

特にこの公演のキービジュアルの池田理沙子さんと奥村康祐さんが主演する公演日は指折り数えて楽しみにしているぐらいでした(池田さん、奥村さんともそれぞれ大好きで、そしてこのお二人が組まれると、とても品のいいふわっとした空気感が生まれて、劇場にいるだけでたまらなく幸せになります)。

 

左が公演リーフレット、右がチラシ

 

今年2月の『吉田都セレクション』が中止になってしまい、新国立劇場バレエの公演を観るのは1月の『ニューイヤー・バレエ』以来。待ち遠しかった!

 

 

まあいろいろある状態は変わっていないのですが、楽しい瞬間は心から楽しまなければ人生損なわけですからねえ。腹をくくって向き合わなければいけないときはがんばりますし、こうして素晴らしい瞬間を楽しめたときはしばらく余韻にひたりたいと思います。

 

 

今回、鑑賞したのは5/1、5/3、5/5の3公演。

 

アシュトンの『シンデレラ』全幕を観るのはけっこう久しぶりなので、5/1の米沢唯さん・井澤駿さんの舞台でシンデレラ役に求められる技量や演技力の高さを再認識しました。井澤さんは誠実でどっしりとした王子ぶりに感じました。

 

 

5/3の小野絢子さん・福岡雄大さんの舞台は華麗。第2幕でシンデレラの一番長いヴァリエーションのときに、身体に感じる地震があったのですが(一部客席から一瞬悲鳴があがったほど)、小野さんはまったく動じずに踊り切り、劇場の空気を落ち着かせてくださいました。幸い地震はすぐおさまって公演が中断されることはなく、素晴らしい夜公演となりました。

 

夜の劇場

 

奥村さんは4/30と5/3はシンデレラの義姉妹の姉役で大活躍。歌舞伎役者さんにもなれそうな整ったお顔立ちなので、姉役のメイクで普通に美女でいらっしゃいましたラブラブ

義理姉妹の姉はたびたび舞台を支配する役回りで、オーバーアクションも多いのですが、奥村さんはちょっとした所作も美しくて見とれていましたニコニコ

 

4/30公演のニュースページ

 

 

5/1、5/3の2公演を堪能し、私にとっては今回の『シンデレラ』最大の楽しみの池田さん・奥村さんの主演の日。

お二人が組む公演は、昨年末のくるみ割り人形は私は日程が合わず観られなかったので、昨夏の『りゅうぐう』以来です。

 

関連記事:素晴らしい和洋の融合~新国立劇場バレエ『竜宮 りゅうぐう』鑑賞メモ

 

3枚目に姉役の奥村さん(舞台ではもっと美女でしたキラキラ

 

 

今回、『シンデレラ』は無事開幕しましたが、コロナ禍で全日程が最後まで上演できるかは100%でない不安は常にあります。コロナ禍となる前も、そもそもキャストがケガなどで予定どおり演じられないこともしばしばあります。

どうか池田さん・奥村さんの舞台が無事開幕し、鑑賞できますようにと祈る思いで初台へ来ました。

5/5のチケットは完売!

 

開幕のブザーを客席で聞き、1幕で池田さんが可憐なシンデレラを踊り始めてようやく少しほっとしました。池田さんのシンデレラは、素直で優しくて前向きなヒロインの印象です。観れば観るほど、何とキュートな方なんでしょう乙女のトキメキ

 

仙女は木村優里さん。池田さんと木村さんが同じ舞台に立つのは今は少ないと思いますので、お二人の並びも見ごたえがありました。

 

そして奥村王子が登場する2幕。実にノーブルで、そしてちょっと茶目っ気もある王子様ぶりはさすがです。そして池田さんと奥村さんの相性はやっぱり最高!!

品があってどこか可愛くて、観ていてたまらない幸福感に包まれました。美しさに自然と涙がこぼれていました。

 

 

夢のような2幕が終わり、3幕が始まろうとしたとき、ステージ袖に劇場のチーフプロデューサーの方が。うっ…これは良くない展開ですガーン

公演前や公演中に劇場関係者が登壇して説明するのは、主演が予定どおり演じられなくなったときです…。

 

2幕で奥村さんがケガをし、井澤駿さんが3幕の王子を務めますとアナウンスがありました。

ちょっとショックで一瞬ぼーっとしてしまいました…。

 

 

井澤さんは王子役の控えでスタンバイされていたのですね。池田さんと井澤さんは、急なことでも、よく息を合わせて見事に舞台を務められました拍手拍手

カーテンコールは凄い熱狂で、これは池田さん、井澤さん、そして奥村さんへの拍手も含まれていることでしょう。

奥村さんのケガの程度が軽いものでありますように。吉田都さんはダンサーの身体をとても気遣われていますから、無理をさせないよう3幕降板の判断をされたと思っていたいです。

 

池田さん・奥村さん主演の舞台がまた観れますように!

今回はお二人が揃ったのは2幕のみとなりましたが、思い出すたび胸に温かいものが満ちてくる幸せな時間でした。

 

5/5の劇場外

 

 

新国立劇場のダンサーさんたちの進化ぶりは、舞台を観るたびに感動します。

道化役の木下嘉人さんは安定の巧者ぶり。

 

四季の精では「春」の早乙女遥さんの切れのある踊り、「冬」の寺田亜沙子さんの凛とした踊りが個人的には印象的でした。

池田さんはシンデレラの他に「秋の精」を踊られていて、5/3に観れました。

 

昨年、ケガをされた速水渉悟さんが王子の友人役で元気に復帰されていたのもうれしいことです。

 

5/5のキャスト表(劇場1階の掲示)

 

 

奥村さん、米沢さん、井澤さんの受賞記念パネル(劇場1階)

 

劇中、オレンジを取り合うシーンはこういう意味があるのですね。

 

奥村さんの早期ケガ回復祈願を願って麗しい王子お写真

 

 

記事一覧     →プロフィール