英会話教室に勤務しはじめてもう8か月が過ぎた。
本当に今でもこの場所に立って英語を教えていることが夢のようである。
1年前は自分がお金を払ってまで海外に英語を教える機会を求めた自分。
そんな自分が今では毎週土曜日と木曜日に当たり前かのようにレッスンを行っている。
1年間の自分が知ったらどんな顔をするだろう。
4月、はじめてまだ日が浅いころはとにかく内容をこなすことに精一杯だった。
全然余裕はなかったし、第一自分がうまく話せるか不安な状況の中やっていた。
しかし、いろいろとフィードバックをもらったり、反省しているうちにだんだんと生徒に受け入れられる授業に近づけたと思う。(最大の要因はスマイルだと思ってるが笑)
だが、それだけでは言い方は悪いが他の「海外に行っていただけの非常勤のおばちゃん」たちと変わらない授業しか提供できないと思った。
自分はこの道でプロフェッショナルになると決めたし、大学院で朝から晩まで勉強しているのだから
何かプラスアルファで貢献できないかといつも考えた。
この膨大な量の知識をいかにして限られたレッスンという時間に還元していくのか。。。
そんな中で最近行っているのは補助教材の作成である。
補助教材といっても本のような大したものではない。
例えばペアで情報を交換するようなタスクではただ自分の言いたいことを言っているだけで、たとえ相手に理解されなくてもなんとかうやむやにそのままになってしまうことも多い。
それは聞く側にリスニングの焦点がないからだと考えた。
本当に理解しなければいけない状態に置かれたとき、私達のリスニング力は高まるし、聞き取れなかったときや意味がわからなかったときには聞き返したり顔をしかめたりするのだ。
これを第二言語習得では「否定的な反応」negative feedbackと呼ぶ。
つまり理解できなかったことを相手に示して、より理解しやすい言葉で言い直したり、ゆっくり言うことを要求するのだ。
その結果、伝えたいことの意味を巡って、ペアの間で一種の交渉が起きる。
この「意味の交渉」こそ、言語の習得につながるというのが定説なのだ。
よって、話をもとに戻すと、会話の際に聞き手が追うべき情報をタスクシートなどに書いておくと、その情報に焦点を当てて聞き手は聞くので、難易度の調整によっては意味の交渉が可能となるのだ。
例えば
「あなたの将来の目標を話し合いなさい」 などというタスクがある。
これをただ話させるだけだとあまり意味がない。
しかし、例えば聞き手にタスクシートを渡して
1、何年計画か 2、誰に協力を頼むのか 3、お金はどうするのか
4、どのようにモチベーションを保つのか 5、何が障害となるのか
などの項目を作っておけば5つの焦点ができ、意味交渉が起きる可能性がある。
また、生徒がどんな質問をすれば良いのかについてヒントを与えているので必然的に
会話が途切れることなく続き、アウトプットを確保することにつながる。
だからこうしたタスクシートを作ることは生徒を助けている(scaffolding)ことになるのだ。
この前のマイクロティーチングでも思ったが、何もこういったプリントや視覚的な補助を与えないと学習者は不安になり、方向性を見失う。
偶然一人の院生が(皮肉にも)全く準備や補助教材に乏しい模擬授業を行ったが
生徒の視点に立って受けてみると全く理解できないばかりでもなく、不安になってしまい
英語が嫌いになると思った。 この人が応用言語学を3年以上勉強していると知ったら驚きだ。
更にもうひとつ、今日のレッスンで
Do you know if SV の構文が出てきた。
「あたたはSV~かどうかを知っていますか?」という意味になる。
そしてそれを使ったメインタスクは教科書では
ここにあなたの同僚のエイドリアンがいます。(白人女性の写真1枚付き)
彼女の誕生日は来週なので何かプレゼントをしましょう。エイドリアンの好みや趣向についてペアに Do you know if SVを使って質問しましょう!
というものだった。それをペアは「想像して」答えるというもの。
う~ん、これはかなり頼りないタスクである。
案の定20分の予定のところが3分で終わったので タスクシートの登場。
(そう考えると本当に生徒に話してもらうのは骨が折れる)
今回は旅行のぐるなびに登場してもらった。
タスク
あなたは錦糸町でデートをします。しかし、レストランに詳しくないので困ってしまいました。
そこで、情報を持っている人に聞き、レストランを選びましょう!というもの。
あらかじめぐるなびでレストランを選んで印刷しておいて
「値段、雰囲気、駅からの距離、営業時間」 などなどの情報を書くスペースを作っておき、
ペアの生徒Aの役にはぐるなびのレストラン情報を渡し、
Bにはタスクシートを渡してAに Do you know if を使った質問をさせた。
ぐるなびは日本語だが、これには2つの理由がある。
1、英語だと読むのに時間がかかってしまい、会話量が減る
2、実際に日本だと、日本語で調べて英語で伝える機会のほうが多そうだから
このタスクは今までにないほど大うけした。
手元にある情報を何とか伝えようと必死になり、もう一人もタスクシートを埋めようと必死に聞く。
中には情報があいまいなものもあり、意味の交渉も起きていた。
実際にこの他にも北海道のホテルやすし屋に関する本を使って同じようなタスクを行ったが
それらは好評だった。
このように、テキストの「いかにも英会話の学校」というタスクよりも、実際の自分の生活に関係のあるものや身の回りのものについて語るほうがモチベーションが上がるというのが私の考え方である。
しかもこれは仕方がないことだが、英会話のテキストはどうしても話題が同じようなものになってしまうことが多い (行きたい国、自分の目標、日本の文化など)
だからこそ、それらのマンネリを脱するタスクに興味が集まるのかもしれない。
まだまだこの試みは始めたばかりだが、少なくとも
1, Information gap
2, Interaction hypothesis
3, Willingness to communicate
4, scaffolding
などの数々の理論によって支えられているタスクである。
これらの経験を研究のモチベーションにつなげてこれからも良いタスクを作れるように頑張りたい。
本当に今でもこの場所に立って英語を教えていることが夢のようである。
1年前は自分がお金を払ってまで海外に英語を教える機会を求めた自分。
そんな自分が今では毎週土曜日と木曜日に当たり前かのようにレッスンを行っている。
1年間の自分が知ったらどんな顔をするだろう。
4月、はじめてまだ日が浅いころはとにかく内容をこなすことに精一杯だった。
全然余裕はなかったし、第一自分がうまく話せるか不安な状況の中やっていた。
しかし、いろいろとフィードバックをもらったり、反省しているうちにだんだんと生徒に受け入れられる授業に近づけたと思う。(最大の要因はスマイルだと思ってるが笑)
だが、それだけでは言い方は悪いが他の「海外に行っていただけの非常勤のおばちゃん」たちと変わらない授業しか提供できないと思った。
自分はこの道でプロフェッショナルになると決めたし、大学院で朝から晩まで勉強しているのだから
何かプラスアルファで貢献できないかといつも考えた。
この膨大な量の知識をいかにして限られたレッスンという時間に還元していくのか。。。
そんな中で最近行っているのは補助教材の作成である。
補助教材といっても本のような大したものではない。
例えばペアで情報を交換するようなタスクではただ自分の言いたいことを言っているだけで、たとえ相手に理解されなくてもなんとかうやむやにそのままになってしまうことも多い。
それは聞く側にリスニングの焦点がないからだと考えた。
本当に理解しなければいけない状態に置かれたとき、私達のリスニング力は高まるし、聞き取れなかったときや意味がわからなかったときには聞き返したり顔をしかめたりするのだ。
これを第二言語習得では「否定的な反応」negative feedbackと呼ぶ。
つまり理解できなかったことを相手に示して、より理解しやすい言葉で言い直したり、ゆっくり言うことを要求するのだ。
その結果、伝えたいことの意味を巡って、ペアの間で一種の交渉が起きる。
この「意味の交渉」こそ、言語の習得につながるというのが定説なのだ。
よって、話をもとに戻すと、会話の際に聞き手が追うべき情報をタスクシートなどに書いておくと、その情報に焦点を当てて聞き手は聞くので、難易度の調整によっては意味の交渉が可能となるのだ。
例えば
「あなたの将来の目標を話し合いなさい」 などというタスクがある。
これをただ話させるだけだとあまり意味がない。
しかし、例えば聞き手にタスクシートを渡して
1、何年計画か 2、誰に協力を頼むのか 3、お金はどうするのか
4、どのようにモチベーションを保つのか 5、何が障害となるのか
などの項目を作っておけば5つの焦点ができ、意味交渉が起きる可能性がある。
また、生徒がどんな質問をすれば良いのかについてヒントを与えているので必然的に
会話が途切れることなく続き、アウトプットを確保することにつながる。
だからこうしたタスクシートを作ることは生徒を助けている(scaffolding)ことになるのだ。
この前のマイクロティーチングでも思ったが、何もこういったプリントや視覚的な補助を与えないと学習者は不安になり、方向性を見失う。
偶然一人の院生が(皮肉にも)全く準備や補助教材に乏しい模擬授業を行ったが
生徒の視点に立って受けてみると全く理解できないばかりでもなく、不安になってしまい
英語が嫌いになると思った。 この人が応用言語学を3年以上勉強していると知ったら驚きだ。
更にもうひとつ、今日のレッスンで
Do you know if SV の構文が出てきた。
「あたたはSV~かどうかを知っていますか?」という意味になる。
そしてそれを使ったメインタスクは教科書では
ここにあなたの同僚のエイドリアンがいます。(白人女性の写真1枚付き)
彼女の誕生日は来週なので何かプレゼントをしましょう。エイドリアンの好みや趣向についてペアに Do you know if SVを使って質問しましょう!
というものだった。それをペアは「想像して」答えるというもの。
う~ん、これはかなり頼りないタスクである。
案の定20分の予定のところが3分で終わったので タスクシートの登場。
(そう考えると本当に生徒に話してもらうのは骨が折れる)
今回は旅行のぐるなびに登場してもらった。
タスク
あなたは錦糸町でデートをします。しかし、レストランに詳しくないので困ってしまいました。
そこで、情報を持っている人に聞き、レストランを選びましょう!というもの。
あらかじめぐるなびでレストランを選んで印刷しておいて
「値段、雰囲気、駅からの距離、営業時間」 などなどの情報を書くスペースを作っておき、
ペアの生徒Aの役にはぐるなびのレストラン情報を渡し、
Bにはタスクシートを渡してAに Do you know if を使った質問をさせた。
ぐるなびは日本語だが、これには2つの理由がある。
1、英語だと読むのに時間がかかってしまい、会話量が減る
2、実際に日本だと、日本語で調べて英語で伝える機会のほうが多そうだから
このタスクは今までにないほど大うけした。
手元にある情報を何とか伝えようと必死になり、もう一人もタスクシートを埋めようと必死に聞く。
中には情報があいまいなものもあり、意味の交渉も起きていた。
実際にこの他にも北海道のホテルやすし屋に関する本を使って同じようなタスクを行ったが
それらは好評だった。
このように、テキストの「いかにも英会話の学校」というタスクよりも、実際の自分の生活に関係のあるものや身の回りのものについて語るほうがモチベーションが上がるというのが私の考え方である。
しかもこれは仕方がないことだが、英会話のテキストはどうしても話題が同じようなものになってしまうことが多い (行きたい国、自分の目標、日本の文化など)
だからこそ、それらのマンネリを脱するタスクに興味が集まるのかもしれない。
まだまだこの試みは始めたばかりだが、少なくとも
1, Information gap
2, Interaction hypothesis
3, Willingness to communicate
4, scaffolding
などの数々の理論によって支えられているタスクである。
これらの経験を研究のモチベーションにつなげてこれからも良いタスクを作れるように頑張りたい。