今回の第二の楽しみは寝台列車である。



特に中国の鉄道の中でも最上の一等車である。


まず最初の扱いからして違った。


荷物検査を終えて通されたのは一等車専用のVIPルームという部屋だった。


しかし、中身は至って普通の待合室。



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中国高速鉄道のPRが待合室に・・・



決して無料のコーヒーが提供されることはない。まあ、空いているだけマシなのだろう。


しかし、ここで問題が。


実は前日から下痢気味だったのがここに来て完全な下痢になった。


朝からもう3回もトイレに行っている。


仕方なく西安駅のとても汚いVIP用のトイレで用を足して乗り込んだ。


さすがに最上クラスなだけあって、社内の設備は完璧であった。


一部屋は今まで乗ったどこ寝台列車よりも広くて4人用の部屋なのだが窮屈さを全く感じさせない。


一つのベッドがとても大きく悠々と足を伸ばすことが出来るのだ。


部屋へ入ったらそこには4人の先客がいた。うち2人はおちびちゃん達である。


そこにお母さんらしき姉妹が二人座っている。


しかしこの子供達、裕福な家庭の出身であるせいかまあまあ大人しい。


少なくとも騒いでうっとうしいということはなかった。



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寝台列車の車内


うっ、しかしまたトイレに行きたくなる。


と電車のトイレに向かったがそこは思ったよりもかなり清潔だった。


さすが最上クラスは違うなあと思いつつ尻の痛みと戦った。


これを電車の中で3回ほど繰り返した後に少し落ち着いた。落ち着いたのでやっと外の景色を眺める余裕も出てくる。






するとそこは雄大な景色が広がっていた。


どうも山岳地帯を走っているようですぐそばに山肌が迫ってくる。


ところどころ人々が暮らす民家、集落らしきものが見当たりとうもろこしがところ狭しと植えられていた。


こういった人民が中国を支えているのだと思った。



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車窓からは雄大な景色が見える



途中からは大きな川沿いを走ることになり、景色は更に雄大になった。


女の子達はくるみを食べていて私達にくれた。


片一方のお母さんが非常に英語に2堪能でお弁当を買う手助けもしてくれたのには助かった。


やはりここでも公用言語としても英語の偉大さを実感させられる。


これからの時代世界中で英語話者が増えることを願っている。





寝台で横になっていると体力も回復してきた。


列車はところどころ駅に停まりながら安定した走行を続けた。


最近できた高速鉄道よりもこういった伝統的な路線のほうが信頼できるものだ。





2回目の弁当売りが回ってきたときにはおなかも空いていたので買って食べた。


値段は20元と安くてしかもおいしかった。中国の物価安はありがたい。


日本だとこれくらいのお弁当でも1000円はするだろう。


かわいい姉妹達には蘭州というところで別れを告げた。



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姉妹



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弁当のおかずは、ミートボール、野菜炒め、卵炒め



ここからいよいよ夜行列車としての旅が始まることになる。


替わってやって来たのは落ち着いた雰囲気を持った中国人男性2人だった。


一人の方は雰囲気から政府の役人と見た。


彼らはさすがに大人で全く無駄口をたたかなかったので静かで平和な時間をすごすことができた。


その間にも私は父が持ってきた本や新書をひたすら読んでいた。





暇だったので隣のコンパートメントに座るおじさんに話しかけてみた。


父から彼が英語を話せることを聞かされていたので話しかけてみると案外弾んだ。


彼は蘇州で外資系の会社に働いているエンジニアのようで中国の会社について語ってくれた。


彼曰くもともとは政府系の建設会社(中国最大手)で働いていたらしいのだが、そこで得られるものはないと思って転職したらしい。


元から外国人と話すことが好きらしくてよく白人にも話しかけているという。


どうだろう、大体1時間ほど話して別れを言った。


そして気付けばもう11時。そろそろ寝る時間だ。






一夜明けて列車は砂漠の中を走っていた。


草原にいたときのように一面砂の世界が広がっている。


敦煌に近づいてきたことがわかる。昨夜はとてもぐっすりと眠ることができたと思う。


だいたい11時くらいになるととなりの役人風のおじさんも明かりを消して寝る態勢に入ったので私もパソコンをたたんだ。


それからしばらくは、まくらがやわらかすぎて寝ることができなかったが、枕を外してタオルで低い枕を作ったらすんなりと眠ることができた。


夜行列車の眠りはとても快適だといつも思う。


微妙に伝わってくる振動がとても心地よい。


今回の列車は特に振動が少なくて途中一度しか起きなかった。


そして、7時くらいに朝日の自然な光を浴びて起きることができた。


普段はもっと寝ていたいと思うばかりだが、今回は外に雄大な景色が広がっているので早く起きたくてたまらないというまさかの現象が起きたのだった。 



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一面の雄大な景色



 敦煌付近は小雨が降っていると聞いていたが、夜が明けるころには雨は上がり、雨上がり独特の雲が立ち込めていた。


弁当を売りに来たので早速朝食になった。


朝ごはんのお弁当は目玉焼き、野菜の炒め物、おかゆ、パンというシンプルなもので値段も昼、夜の半額で10元(約120円)という安さだった。


これで列車の中で3食食べたことになる。


今までいくら長い移動でも東京~ロンドン間の11時間ほどだったが、今回はそれの2倍を越える22時間の移動である。


これくらい居るともはやここに居ることが当たり前、生活の場所となってくる。


しかも私達はずっとここにいるのだが途中で2回ルームメイトが変わるということも起きた。





旅行記を書きながら外を眺めていると砂漠地帯の中に大きな風車が見えてくる。


それも10や20でない。


ぱっと見たところ500は超えているのではないか、いや1000こらいはあるのではないかと思えるほどたくさん「生えている」。


三菱レイヨンへ行ったときに風力発電の設備mの作っていて中国の奥地に売りに行くことがあると言っていた人がいたのでこれはレイヨン製かもしれない。




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雄大な景色を見ながら旅行記を書く




今までのところ私の予想はたいてい当たっている。


どんな予想かというと楽しいもの、そうでないものだ。


行く前に一番魅力があるなあと思ったのが草原、夜行列車、敦煌の3つだった。


そして、今までのところ草原、夜行列車共にとても満足できる感動を提供してくれる。


そこで思った。


どうやら私は人間が作ったものよりも、自然が作った雄大なものを好む傾向にあるようだ。


今までの旅行もどちらかと言うと市内観光というよりもエクスカーションが中心でやはりそちらのほうに魅力を感じてきた。


これからの旅行はその自分の好むを考慮に入れるとよい。


さあ、敦煌に到着だ。



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