釜石、かつては新日鉄があり鉄の街、ラグビーの盛んな都市でもあった、また、橋上市場も賑わったことで知られているが、現在は少し離れた場所にフッシャーマンズマーケットを建設し移設されている。

この釜石港には、国土交通省港湾局(東北地方整備局港湾部)が誇る、1200億円の巨費と30年に歳月をかけて水深67mの海底から捨石を積み上げた釜石湾口防波堤が存在する。

この海底の万里の長城とも言える防波堤の今回の津波 に対する検証結果が港湾技術研究所から発表された。

結果は、湾口防波堤がもしなかった場合13.7mの津波高となったものが、この防波堤の結果8.0mの津波高となり、4割も低減をしたと検証している。

水理学の検証ななかなか難しく、学者によっても各人各様、時の権力者先生の理論が通るという変な世界でもあるが、一般の人には解析もままならない。さらに、今回のこの検証が、同じ港湾局系の身内研究所であるところが少し気になる。

病気でも今は、主治医と他の医師の意見を比較検討する「セカンド・オピオニオン」が定着しているが、膨大な投資を伴う事業の検証には、身内以外の検証も必要かもしれません。

特に、原発事故では安全安全と言いながら取り返しが出来ない甚大な被害を生じた結果をみても(電力会社も著名人をキラボシのごとく集めた電力中央研究所という立派?な無責任な研究所を持っています)、身内同士の保証ごっこには国民はもう疑心暗鬼。

特に、国の事業にはどこの先生も遠慮しますので、今後は官庁のお目付け役である会計検査院のお墨付きを国民は求めています(最近の会計検査院はその位の技術力は持っていると思いますので)。