「留魂の碑」という本、沖縄鉄血勤皇師範隊、すなわち、終戦時の沖縄師範学校の生徒たちが軍に徴用されて、すさまじい戦争の中を生き残った生徒たちが当時を思い起こし書き残した本である。
いずれの方々も戦争で友を失い、また、自身も死と紙一重の生活のなかで、戦争のむなしさと命の大切さを考えさせる内容ばかりである。
中には、小学生と思われる子供が足を負傷し、ランドセルを背負い、泥だらけの中で四つん這いになって、兵たいさんつれていってと言われたが、どうしょうもなかったこと、あるいは、死んだ母のそばにいる幼児がなにかをうったえるような目で見ていたこと、、また、実際の戦争では死者を見てもなんとも思わなくなったことなどなど、戦争の悲惨さを書き綴ってあります。
この中で、元、沖縄県知事の大田昌秀さん(彼もまた勤皇鉄血隊です)が見た、摩文仁の丘での牛島指令長官と長参謀長の墓の墓標を見たが、墓の上には米兵の短剣がつきたててあり、墓の表面には「地獄に落ちやがれ」「殺人鬼」などと縦横に切り刻まれていた、大田さんは短剣を引き抜くと崖下に投げ捨てたとある。
地球上、いつの時代もどこかで戦争ですが、思想、宗教、人種、国境、利権、これらみな争の種、足るを知るで生きるのは難しいのでしょうか・・
なお、沖縄師範学校校長の野田貞夫さん、本土に出張していたが沖縄戦の前に軍の飛行機で沖縄に舞い戻り生徒とともに亡くなったとのこと、沖縄では彼を上に立つ人の鏡として顕彰する碑もあります。