うつせみの世は常なしと知るものを秋風寒み偲つるかも

大伴家持の歌で、「現世は無常と知ってはいるものの、秋風が寒いので、亡くなった人をつくづく思ってしまう」との内容であるが、愛する方々を亡くされた人には心に響く歌である。

今、地震・津波そして原発事故の対応で被災者、避難者そして対策に当たっている多くの方々、仕事以上に人を愛する熱意で取りかかっていますが、国会の論争を聞いていて、がっかりします。

政権の指導力が足りない、海外になぜ早く放射能を含んだ水の廃水を知らせなかったか、なぜ、ヘリコプターで飛ばなければならなかったなど、今、緊急の対処しなければならない論争はゼロ、相変もわらずのあげ足取り保身の答弁、そして、派閥争い。

多くの犠牲者たち、愛する肉親を、そして、仕事も、家も、学び屋も、全てを失ってしまった方々には、国会論争は砂を噛むようなものにしか映らないはず。

現世は無常、頭では分かっているが、置かれている現実を受け入れることは本当に出来ないかもしれません。

もう無用な国会論議よりは、一刻も早い復興の青写真を提示して、被災者、被害者の方々に力を与えて下さい。