ニュージランドの地震で多数の犠牲者がでましたが、日本人学生も多く、若い希望に燃えた方が亡くなったの本当に残念で遺族の方々はさぞかし無念のことと思います。
日本は有数の地震国ですので、これまでの被害の蓄積から構造物の設計については建築基準法などもその都度改定されて、今日では随分安全を考慮したものとなっています。
その基準改定の元となったのは1968年(昭和43年)の十勝沖地震で倒壊した函館大学であり、その後1981年(昭和56年)6 月1日に大幅に建築基準法を改定、特に、RC造の腹筋及び帯筋の基準を強化した新耐震の設計となっている。
腹筋とは柱にまく鉄筋のこと、また、帯筋とは梁にまく鉄筋のことであり、それまで、はピッチ20cmであったが、改定後は10cmとなり、これにより、柱や梁が強度を増すことになりました。考えてみれば本当に僅かの事であり、建築費に占める増額は多分1%にも満たないのではないでしょうか、しかし、それまでは、その僅かなことにも注意を払わなかったことが日本の建築物であった。
今では昭和55年以降に建築した建物は一応安全といわれていますが、しかし、現場のノルマ主義は作業員の責任感に悪影響を与え、例えば、鉄骨の継ぎ目の溶接では、現場の監督が目を離したすきに、作業員が溶接をする前に鉄筋を巻きつけて(時間をかけたくないため)その上を如何にも溶接をしたように表面を盛り上げて溶接をするなど(この場合強度は零です)、いい加減な建築、土木構造物も多多あります。
最近の日本の土木・建築構造物は、基準にあった施工をしていれば地震で倒壊はしないと思いますが、しかし、施工がいい加減であれば、安心して生活できません、スピード、利益ばかり求めているとなかなか良い構造物は出来ないとも思います。