山田洋次さんが監督した、映画の「学校」で先生の西田敏行が演じた主人公のモデル、松崎運之助さんがラジオで話をしていました。

彼は旧満州の引き上げ者といっても難民収容所で生まれたので、引き揚げ時も母が子の命は自分の命と守り、母が随分苦労したと思うとのこと。

また幼いころに父が女を作り家出、長崎市の貧しい人々が暮らしたバラックで母が土方仕事などをして自分たちを育ててくれた語っていました。そして、弟、妹の保育園のやさいい保母さんが、「頑張ってね、あなたたちを見ていますからね」と言われたことが自分が成長する上で励みになったことと、大人が子供の目線で見守ってあげるねと語る大切さをも知らせていただき、当時の保母さんに感謝していますとのことでした(なお、松崎さんのお母さんは77歳で亡くなったそうです)。

中学を卒業してから長崎の三菱重工に就職、そして、定時制高校、上京して夜間大学へ、教育実習で夜間中学の存在を知り夜間中学の教員になったそうです。

イピソードを数々語っていましたが、ははのことすなわち「母」ですが、夜間中学校で学んでいた生徒達が母の漢字の中にある点二つが乳房を示していることに異論だそうで、あの、点二つは母の涙を示しているという結論に達したとか、また、「父」についてはカタカナのカにバッテンは納得したそうで、如何に、苦労した人は母に対しての愛情が深いか、一方、父に対しての憎しみ?が深いかがわかりました。

松崎さんの話はアンコールで二回目とのことでしたが、今の時代の学校、家庭、そして、親と子とのきずながどうあるべきかをも示唆する含蓄のある話でした。

人間は生まれながらに皆平等であるはずが、生まれた家庭、親の社会的立場(階級)によって、差別、そして、人権まで蹂躙されている今、子供たちが持っている可能性を延ばす教育システムを作ることが何よりも望まれていると思いました。