22年前の今日1月7日は昭和天皇が亡くなった日で、昭和という元号が終わった日ですね、もう22年前のことですが、月日の流れるのは早いものです。昭和と言えば前半はやはり間違った選民意識による侵略と戦争、後半は自信喪失ながらの経済発展でしょうか、百八十度の日本人の意識の変化である。

このような社会で坂口安吾の「堕落論」が日本人の精神を助けた?すなわち、・・半年のうちに世相は変わった、醜の御盾といでたつ我は、大君のへ(辺)にこそ死なめかえりみはせじ、若者達は花と散ったが、同じ彼らが生き残って闇屋となる。ももとせの命願わじいつの日か御盾とゆかん君とちぎりて、けなげな心情で男を送った女達も半年の月日のうちに夫の位牌ににかづくことも事務的なるばかり・・・・

「生きよ、堕ちよ」という思想がなければ、なかなか戦後は生き残ることが難しかったはず、坂口の「堕落」のうちにしか再生はないと言い切ったが、今振り返ってみても確かに日本人の精神性が堕落したからこそ銭ゲバもできたし、よって、経済復興も出来たような気がする。

就職難、結婚難の平成の今、坂口のいう「生きるためには、堕ちよ」はたして今の若者に通用するであろうか、多分、通用しないでしょうね、それは、戦争と言う死と紙一重を経験していないからでしょうが、堕ちないかぎり生き残れないのも不幸なような気がします。

今日の新聞に、アメリカの美声のホームレスが動画で人気、美声を生かす仕事が舞い込んだとか、堕ちて生きた一つの証明でしょうか、彼もプラカードをもって自分の美声特技を宣伝していましたね。