歌舞伎俳優の市川海老蔵 (32)が、酒を飲んだ際にケンカ、顔などを殴られ大けがをした事件が発生しましたが、「海老蔵は酔うとあたりかまわず絡んで因縁を付ける酒乱、いつかこうなると思っていた」と友人も話しているそうですが、殴られて役者の命、顔面陥没とは災難、というか、海老蔵さん三十路を過ぎて人間としても余りにも軽薄ですね。

元禄と言えば1650年ころ、江原西鶴が「好色物」を出版していますが、「好色一代男」に次いで書かれた「好色二代男」の巻五の一に「大臣(大尽)も控えめであった方が奥ゆかしく思われる。それでは面白くないと言って、一晩中大騒ぎをし、大夫を自由にすることであるが、これでは、たまたま大夫に逢いに来た他の客が恨むのも道理である。大阪の法師が切り殺されたのも、丸屋の座敷に難波屋がいるのを見かけて、めくらめっぽうに鉄砲の弾を撃ち込んだのも、当たらなかったからよいものの、みなこの恨みがなせるものである。威勢にまかせて、わがままをしてはならない」

とあります。今から360年前ほどの西鶴のおしえであるが、現在にも通じますね。なお、当時の歌舞伎の名優は嵐三右衛門であるが、彼ほどの名優と言えども、大旦那たちの取り巻きの一人であったと書かれていますが、今は、歌舞伎役者自身が旦那でもあるようで、このような風潮も役者や歌手、そして、スポーツ選手などをマスコミが持ち上げ過ぎている結果でしょうね。