今日は「土木の日」です、由来は漢字を分解して十一月十八日となる(「土→十一」「木→十八」)工学会の創立日が1879(明治12)年11月18日であることから、1986年に制定されたそうですが、八十八歳の米寿と同じような言葉というか漢字遊びですね。
戦前の日本の土木技術はどちらかと言えば、台湾や朝鮮そして満州で活躍の場を得て、当時、建国の機運に溢れた満州国の首都「新京」や台湾の当時アジア最大の「烏山頭ダム」の建設が知られています。新京については中国はあまり評価していませんが、都市計画の知識を駆使したもので、現在の長春の発展ぶりをみれば自ずから評価されて良い友ます。また、烏山頭ダムは石川県出身の八田與一氏(1886年~1942年)が設計・施工に係わり今でも台湾の人々によく知られ、台湾ではTVのドラマとして報道された人気を泊しました(李登輝さんもよく語りますね)。
日本国内においても戦後の復興時から高度経済成長時にかけての新幹線や黒部第四発電所等々土木技術者達の貢献も大きかったが、いつの間にか、公共事業依存の景気浮揚策の政治に翻弄され、三本も必要もない本四架橋に代表されるような、いらないダム、道路、港湾、空港、かんがい施設などの建設国債に依存した土木事業のオンパレードとなり、今や土木事業は国民から怨嗟の声に囲まれてしまっています。
このような社会状況を受けて、今日の若い人に土木技術者は人気がないのか、大学では「土木工学科」あらため「地球環境工学科」などとしているが、名前を変えただけで若者に人気のある学問になるわけでなく、やはり、社会から熱い期待がかけられるような真に環境を保全するための学科になる必要があると思います。
せっかくの土木の日ですが、先輩達の活躍も、今では関係者以外あまり知られていないことが残念です。