産経新聞のWIB版に今年のノーベル化学賞を受賞した、米パデュー大特別教授の根岸英一さんの言葉の解説があった。(以下引用)

根岸さんは「日本はすごく居心地のいい社会なんでしょうけれど、若者よ、海外に出よ、と言いたい。たとえ海外で成功しなくとも、一定期間、日本を外側からみるという経験は何にもまして重要なはず」「居心地のいい」はカンファタブル(comfortable)であるが、米国ビジネス社会ではよく、「コンフォート・ゾーン(comfort zone)を超えよ」という表現が使われる。コンフォート・ゾーンとは、そこにいれば安心できる慣れ親しんだ場所のことである。とあった。

確かに、日本人の好きな言葉は「気の置けない」「気心の知れた」などであり、また、歴史的にも「茶の湯」「能狂言」が交際の場の「奥の院」的なところがあり、西洋の「大舞踏会」や、「オペラ等」とは対極にあるとも言えます。

韓国の大学の教授の李御寧(イー・オリョン)の著書に「縮み志向の日本人」がありますが、この本まさしく日本人の心情を言い当てています。役所でも会社でもキャリアアップを目指し海外に勇躍した人は、実は、帰ってくるとその組織の出世コースから弾き出されてしまうのが日本の実情です。このような「同類のものしか受け入れない日本人の心情」が昨日書いた「いじめ」などの土壌となるのでしょうね。

「人生いたるところ青山あり」はコンフオート・ゾーンを超えよと言う根岸さんのアドバイスにも通じますが、ほんと、人生いたるところ青山(墓地)がありますよ、若者達よ羽ばたいて下さい。