国土交通省の交通政策審議会小委員会は20日JR東海が計画するリニア中央新幹線(東京~大阪)をめぐり、南アルプスを直線で貫通するルートで異論はなくほぼ決まったとの報道。

この南アルプス貫通ルート438kmの工事費用は5.5兆円、所要時間は67分、費用対効果は1.51倍、これに対し、伊那谷ルート498kmの工事費は6兆円、所要時間74分、費用対効果は1.24倍とのこと。

しかし、審議会でほとんど異論がですにとはおかしなこと、例えば、伊那谷のどこかに駅をつくった場合、そこが核となり、今、大根などをつくっているだけの土地が、21世紀中ごろには世界に冠たるバイオ、あるいは、ロボットなど精密機器の生産地に生まれ変わる可能性だってあり、狭い日本の効率的活用に貢献することだって考えられる。

鉄道は航空機と違いただA地点とB地点を結ぶ「点」の交通手段ではなく、沿線に様々な恩恵を及ぼす「線」の交通手段であり、巨額の資金を投入して建設する効果をただ、建設費と時間だけをとらえて費用対効果を算定したものを俎上に検討したのでは余りにもおそまつな審議会である。

これまでの新幹線建設でも、例えば三島や水上が住宅地となり、あるいは花巻が新たな生産拠点になったように、鉄道には時代時代に思いもかけない新たな役割を担うが、今のJR東海ように単純に早さだけを考えるのであれば、JRも飛行機を飛ばしたらいかがでしょうか。

21世紀、あるいは、22世紀の日本を考えた日本の鉄道建設を望みたいし、なにも議論をしない(出来ない)審議会であれば仕分けの対象としたいものである。