沖縄にいるとこの美しい自然の沖縄が言葉が悪いがまるで「強姦」されているような気がいたします。沖縄本島南部の糸満市と八重瀬町に1,352haを対象にして水源かんがい施設として「地下ダム」が建設されていますが、地下ダムとは地上に降った雨を「水を通さない壁を地下につくって、海に流れていた水をせきとめ、これをポンプで吸い上げ農業に利用する」というものです。
この方法を単純に考えれば「凄い良いアイデア!」と思うかもしれませんが、これまで数千年にわたって海に流れ出ていた水を地下に3,000mにわたって壁を築きとめてしまうことなど、まさに天に唾をするようなものです。海に流れ出る淡水と海との結節点でその水を命の水として生きていた生物は数限りなく棲息していたはずであり、それをせき止め彼らに水を与えないなど、本当に蛮行、愚行、言葉がありません。
そして、そのしっぺかえしは必ず我々人間に及びます、1,352haに渡って散水された水には当然窒素、リンなどの農業肥料が入っており、それを繰り返し汲み上げ利用することになりますから、水質はどんどん悪化することは目に見えています。一例として秋田県の八郎潟干拓では農業に利用するため汽水湖の八郎潟を淡水化しましたが水質が悪化、CODが16mg/Lというひどい状況になっています。この沖縄本島南部土地改良区の地下ダムも数年したら八郎潟の残存湖と同じ状態に陥ってしまう危険は非常に高いと言わざるをえません。
この事業は国営としてもうほとんど終了していますが、例の農業土木官僚と農業土木建設会社の利権の巣窟「土地改良連合会」のかかわった事業でもあります。
ただただ金に目がくらみ土地を改変することだけの農業行政は、いつか日本の農地はレイチェル・カーソンが1962年に出版した「沈黙の春」のように何も生産出来ない土地をつくってしまう危険をはらんでいます。