ストリートキャニオンとは見慣れない、あるいは、聞きなれない言葉かと思いますが、ビルの谷間を意味します。このキャニオンはビルや自動車からの排熱、アスファルト舗装や建物表面の蓄熱等でビルの谷間の熱環境が実は都市のヒートアイランド現象の原因にもなっています。
ヒートアイランド現象は地球温暖化の影響もありますが、東京の年平均気温は過去100年で3度も上昇しているが(1905年の年平均気温は13.5度→2003年の年平均気温は16.6度)、東京以外の大都市では2.4度、中小都市では1度の上昇ですから、東京はやはりストリ-トキャニオンの影響が大きいものと考えられます。
ヒートアイランド現象は熱帯夜などの発生させ、このため、また、冷房をつけますが、その排熱がまた、ヒートアイランドの原因になるという悪循環に陥っています。
エネルギー経済研究所のデータによれば過去10年間に床面積当たりの冷房用エネルギーを業務用ビルで18%、住宅で27%も増加しているが、今後10年間で30%増加するとも試算されています。
大気熱負荷量=対流顕熱+蒸発潜熱+人工排熱(顕熱)+人工排熱(潜熱)ですので、顕熱(日射等で暖められて周囲の大気に放出される熱)を減らし、潜熱(地表の温度が高くなると地面に含まれている水分が蒸発して大気を暖めない熱)を多くするシステムの構築が必要です。屋上緑化、校庭緑化、風の道、遮熱性舗装等の対策があります。
写真は東京大手町のビル群です、景観的にはいいですがビルの谷間はヒートアイランドの原因にもなります。
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