写真は都庁からみた新宿副都心のビル群です、もと、淀橋浄水場跡地に都庁が建設されてからアッという間に超高層ビルが林立しました。しかし、都心部のオフィスの増加に対して交通機関の整備が追いつかず、ここに通勤する人々が、殺人ラッシュとも表現された通勤電車を利用することになりました(時間によっては今も続いていますが)。
経済の発展とは社会資本を先行的に整備し直接的生産活動を刺激する「超過能力型」と、直接的生産活動の後追いをする「社会資本不足型」があるそうです(A.Hirshman)。前者は地方への投資は(いらない道路をつくるなど)地方の開発可能性を誘発するという理屈になります。しかし後者の現実に発生している交通渋滞などの大都市のボトルネックを解消するための投資も大変重要と思います。
結局、費用対効果の低い投資は民間資本の限界生産性と社会資本の限界生産性のかい離をもたらし、資本配分上の損失をもたらしますので経済が空回りをします(失われた10年が証明)。やはり、公共投資は地方、都市の公平な配分が望まれますが、その前提は有権者に対する国会議員の公平な人数の配分が原理原則です。今のような地方出身の国会議員が多い状態では当然地方への投資、つまり、公共事業を地域間所得再配分機能を持たせる考え方が続きます。
私は長い間東京に住み、そして今地方に住んでいますが、明らかに地方への投資が過大であると痛感しています。低成長時代に入った日本の将来を考えると、やはり、効率性を考えた投資が望まれますね。
